この記事でわかること |
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「自社でもデジタルマーケティングを実施したいけど、実際何をすればいいかわからない。」ということはありませんか?
近年では顧客の購買までのプロセスが変わりつつあり、テレアポや展示会への出展などを主な顧客獲得手段としていたBtoBの業界では、WEBを利用した顧客獲得への大転換が起きています。
その時に必要になってくるのがデジタルマーケティングなのですが、これまでノウハウがなかったBtoB企業がいきなりデジタルマーケティングに挑戦してもうまく行かないのが実態です。
そこで、この記事ではBtoBにおけるデジタルマーケティングの言葉の定義や重要性をマーケティング会社の代表という立場から事例とともに解説したいと思います。
この記事を読めば、デジタルマーケティングの定義からBtoBにおけるデジタルマーケティングの役割や施策について理解し実行できるようになるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
BtoBデジタルマーケティングとは
BtoBデジタルマーケティングとは、「BtoBビジネス」で「デジタルマーケティング」を行うことです。
2つともマーケティングに関わっているとよく聞く言葉かもしれませんが、言葉の定義が曖昧になりがちです。
なので、解説に入る前にそれぞれの言葉の定義について確認したいと思います。
まず、BtoBとは「Business to Business」の略で企業間で取引を行うことです。
これは文字通りなのでわかりやすいかもしれません。
一方、デジタルマーケティングはWEBマーケティングやコンテンツマーケティングなど似たような言葉があるので、混同してしまうことが多いです。
そこで、まずはデジタルマーケティングの定義について解説したいと思います。
デジタルマーケティングの定義
デジタルマーケティングとは、マーケティング活動にデジタル技術やデジタルデータをかけ合わせた戦略や仕組み作りのことです。
似たような用語にWEBマーケティングやコンテンツマーケティングのような専門用語もありますが、全てデジタルマーケティングの範囲内です。
デジタルマーケティングの手法はWEB広告やコンテンツマーケティングなど多岐にわたり、データを上手く活用できれば広範なターゲットへ適切にアプローチできる可能性があります。
例えば、デジタルマーケティングでは下記のようなデータを用いてマーケティング戦略を構築します。
活用データ例・いつどこに行った
・どういう経路で行った
・何を見た
・何を買った
・こんなテレビ番組を見た
・クーポンをいつ使った
このようにあらゆる購買データや行動データからユーザーのニーズや行動パターンを把握し、ターゲットに対して最適なアプローチを行います。
近年では顧客の購買行動が多様化しているため、1人1人に最適なアプローチが可能になるデジタルマーケティングはビジネスの成長に重要な役割を果たしているのです。
BtoBデジタルマーケティングの重要性
アメリカのデータ分析会社CEBが2012年にGoogleと共同で行った研究では「購買プロセスの57%が営業担当者に会う前に完了している」と発表しています。
つまり、商品やサービスを購入する過程の半分以上は「営業担当に会う前の情報収集」の時点で完了しているのです。
そのため、各企業は見込み客が情報収集をしている時点で適切にアプローチをする必要が出てきたのです。
この研究が発表されたのは2012年なので、2023年現在ではBtoBビジネスにおけるデジタルマーケティングの重要性はさらに増していると言えるでしょう。
なお、BtoBにおけるデジタルマーケティングは多くの役割を果たしますが、主に以下のマーケティング活動において重要となります。
主なマーケティング活動・新規顧客獲得
・リピート顧客獲得
・顧客ロイヤリティの向上
・セールスプロセスの効率化
では、デジタルマーケティングがそれぞれのマーケティング活動において、どのような役割を担うのか解説したいと思います。
新規顧客獲得
デジタルマーケティングを活用することで、ターゲットにアプローチし新規顧客を獲得することができます。
主な手法は以下のものがあります。
主なデジタルマーケティング手法・SEO
・SNS
・WEB広告
特にリスティング広告やSNS広告などのWEB広告を活用することで新規顧客を獲得する事例が多いです。
ただし、WEB広告を使うだけで新規顧客を獲得できるわけではありません。
広告を運用して得られたデータを商品の改善やターゲティングの見直し、新規顧客獲得コストの削減などに活用して初めて新規顧客獲得につながるのです。
広告はあくまでも手法であり、本質は「得られたデータをどう活用するか」ということを覚えておきましょう。
デジタルマーケティングを上手く活用できれば、効率良く新規顧客を獲得することができるようになり競合優位性を高めることができるので、積極的に取り入れていただければと思います。
顧客ロイヤリティの向上
デジタルマーケティングを活用すれば顧客の興味関心に合わせたサービス提供ができ、顧客との信頼関係を築き上げることができます。
例えば、ある企業では顧客のウェブサイト上での行動をトラッキングし、そのデータを分析して顧客の興味関心を把握しています。
さらに、SNS上での顧客の投稿やアクティビティも収集し、その情報を活用してターゲットに合わせたコンテンツや広告を配信しています。
また、この企業はメールマーケティングを通じて顧客にアンケートを送信し、顧客の意見や要望を直接聞くことで、商品やサービスの改善点を把握しています。
このような顧客の声を元に顧客満足度を向上させ顧客ロイヤルティを高めることに成功しているのです。
顧客が自社の商品やサービスに対して好感を持つようになると、リピート率の向上が見込めるので、自社ではどのような施策を講じることができるか考えてみましょう。
リピート顧客獲得
BtoBに限らずリピート顧客獲得はビジネスにおいて重要な要素の1つです。
デジタルマーケティングを活用すれば、リピート顧客獲得に関して以下のような効果が見込めます。
リピート顧客獲得への効果・顧客との関係性を深める
・顧客のニーズを正確に把握できる
・顧客満足度が向上する
まず、顧客との関係性を深めるという観点から解説すると、定期的にニュースレターや更新情報を顧客に提供することで顧客との関係性を深めることができます。
さらに、デジタルマーケティングを活用することで顧客のニーズや要望を正確に把握することができ、リピート率の向上が見込めます。
例えば、ウェブサイトやソーシャルメディア上でのアクティビティや検索履歴を分析し、顧客に合わせた提案やアプローチを行うことでリピート購入の機会を増やすことができるのです。
また、ウェブサイト上でのコンテンツ提供やオンラインセミナーなどを行えば顧客満足度をさらに向上させることができます。
このようにデジタルマーケティングを活用すると顧客の知識やスキルの向上に貢献し、満足度を高めることもできるのです。
こうしたアプローチにより、顧客との信頼関係を築きリピート購入の機会を増やすことが可能になります。
セールスプロセスの効率化
BtoBにおけるデジタルマーケティングを活用すれば、リードジェネレーションとリードナーチャリングに大きく貢献することができます。
リードジェネレーションとは?マーケティング活動によって見込み顧客を獲得する活動
リードナーチャリングとは?自社サービスの教育をすることによって見込み度合いを上げる活動
例えば、自社のウェブサイトやSNSを活用したリードジェネレーションが可能です。
自社の商品・サービスに関心を持った潜在顧客が自ら情報を収集することで、自社商品に興味を持った見込み客を獲得でき、セールスチームはより質の高いリードを受け取ることができます。
さらに、獲得したリードに対してメールやSNSで自動的に情報提供やフォローアップを行うことで、リードの質を高めることができるのです。
このようにデジタルマーケティングを活用してリードを獲得し教育することで、セールスチームは効率良くセールス活動ができるようになります。
BtoBデジタルマーケティングの成功事例(打ち手)7選
ここまで、BtoBにおけるデジタルマーケティングの重要性について解説してきました。
ここからは実際の成功事例を紹介するので、自社であればどのような施策を講じることができるのかを検討する材料にしてください。
株式会社サンフロント
株式会社サンフロントは、自社のサービスに関連する「サンフロントブログ」を運営したことで、流入数が増え新たな顧客層へのリーチに繋がりました。
また、オウンドメディアの運用とメールでのマーケティングを組み合わせることで、見込み客との接点作りにも注力しています。
さらに、セミナーの案内なども送付することでコンバージョンの増加にもつながっています。
ライオン株式会社
通販サービスの「LOHACO」と共同し、loTハブラシのテストマーケティングを行ったライオン株式会社。
LOHACOのデジタルマーケティングサービスから、購買意欲や行動に関するデータを活用し、PDCAを回しながら既存顧客に対するサポートも行っています。
また、製品を通じて既存顧客の歯磨きに関するデータや利用状況を取得し、製品の交換時期や関連する別製品をおすすめするなどコミュニケーションツールとしても役立てています。
これにより、オーラルケア商品の購買拡大や促進施策の実施や提案を行えるようになり、売り上げにつながっているのです。
パナソニック株式会社
「オーブントースター ビストロ」のプロモーションとしてInstagramのアカウントでレシピ紹介を実施したPanasonic。
フォロワーは約12万人で約8割が幅広い年齢層の女性であり、「真似したい」という思いを引き出せるようキーワード選定や分析にもInstagramを活用しました。
デジタルマーケティングのフレームワークも活用し、商品がどう認識されているか顧客についての理解も深め、コミュニケーションの設計や投稿を作成したのです。
これらの施策を講じたことで、前モデルと比べて2倍のペースで売り上げが伸びています。
デジタルマーケティングのフレームワークについては、下記の記事で解説しているので詳細を知りたい方はぜひ参考にしてください。
2022.12.16
デジタルマーケティング戦略において効果的なフレームワークとは?
この記事でわかること フレームワークとは何か デジタルマーケティングにおける効果的なフレームワークに...
株式会社デンソー
自社の取り組みや社員の活動をInstagramに投稿し、今まで接点の機会が少なかった見込み顧客へのアプローチを成功させました。
また、英訳したハッシュタグを記載したことで、海外からの顧客も獲得しているので海外向けのSNS運用方法を学びたい方は参考にしてみると良いでしょう。
社員へのインタビューを紹介することで、企業のイメージアップにもつなげることができています。
敦賀魚河岸 海鮮丼うお吟
Instagramを通じて商品やお客様の賑わいの様子を定期的に配信したことで、既存顧客だけでなく、不特定多数の方へのアプローチを行うことに成功しています。
また、Instagramのリンクからは詳しい店舗情報を載せたWEBページへと飛ぶことができるようにしました。
さらに、オンラインショップも導入することで、遠方に住んでいて店舗へ行けない方へのアプローチも同時に行っています。
これらの施策により集客から販売までの導線を整えることができました。
アウディ
アウディは、新しい機能であるR8の加速性能を5秒にまとめ、YouTubeのインストリーム広告を利用しています。
6秒を超えてしまうと、ユーザーはスキップ機能を利用することができてしまうため、心を掴まないと全て飛ばされてしまうのがYouTubeのインストリーム広告で注意すべき点です。
その為、アウディはこの5秒の動画でわかりやすく加速性をアピールしたことで、費用対効果を高めることに成功しました。
株式会社中村屋
今まで担当者が少なく全国販売ができていなかった中村屋ですが、営業システムを導入することで営業業務の効率アップを実現し担当者を増やさずに全国販売を成功させました。
担当者を増やさずに全国販売を成功させただけでなく、営業業務の効率化を果たすことで営業者の負担を減らすこともできています。
この施策で全国展開したことにより「和菓子で有名な中村屋」としてブランド力を高めるきっかけとなりました。
まとめ
今回の記事ではBtoB領域でデジタルマーケティングを活用すれば、多くのメリットが得られることを解説しました。
以前から注目されていたデジタルマーケティングですが、コロナの影響もあり一気にその重要性が高まってきています。
そんな中で競合に遅れを取らないようにするためには、早急な対応が求められます。
どの時代においても時代に取り残された企業は倒産を余儀なくされると言っても決して過言ではありません。
とはいえ、デジタルマーケティングのノウハウを持っていない企業が1から自社のリソースだけでデジタルマーケティングを実施することは難しいでしょう。
弊社では、そんな「デジタルマーケティングに取り組みたいがノウハウがない」「リソースが厳しい」という企業向けに無料相談を実施しています。
状況に応じて取るべき打ち手は変わってくるので、BtoBマーケティング施策についてご検討中であれば、ぜひ下記のLINEからお気軽にご相談ください。