この記事でわかること |
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当記事では、広告運用の実績や知識が豊富な株式会社LATRUS(ラトラス)の代表が、LINE広告で成果を正しく測定するために欠かせない「カスタムコンバージョン」と「CVタグ」の設定方法や活用法について解説します。
この記事を読めば、LINE広告の効果を正しく把握し、改善に役立つデータを取得できるようになるので、ぜひ最後まで読んで学んでください。
LINE広告のカスタムコンバージョンとは
カスタムコンバージョンは、LINE広告で特定の成果地点を柔軟に計測できる仕組みです。
標準コンバージョンでは把握できない詳細な行動を捉えられるため、より精度の高い効果測定と改善に役立ちます。
ここでは違いと活用シーン、計測期間のメリットを解説します。
標準コンバージョンとの違い
標準コンバージョンは、LINE広告にあらかじめ用意された「購入」「会員登録」「問い合わせ」などの一般的な成果指標を計測する仕組みです。
導入がシンプルで、主要なゴールを把握するには十分ですが、ユーザー行動を細かく分解して追跡することはできません。
一方、カスタムコンバージョンは広告主が自由に条件を設定できる点が大きな違いです。
たとえば「購入完了ページに到達した場合」だけでなく、「カート追加」「会員情報の一部入力」「特定ページ滞在」など、細かいユーザーアクションを測定できます。
これにより、どの段階で離脱が発生しているのか、どの広告が中間成果に貢献しているのかを可視化することが可能です。
つまり、標準コンバージョンが大枠の成果を確認するための基本機能であるのに対し、カスタムコンバージョンは柔軟性を持ってビジネスモデルに合わせた計測を行うための発展機能といえます。
カスタムコンバージョンが必要になるシーン
カスタムコンバージョンは、広告効果をより深く分析したいときに活用されます。
例えば、資料請求フォームの入力完了を成果地点にしたい場合や、購入ステップの中で「カートに入れる」や「配送方法の選択」など中間行動を把握したい場合に有効です。
こうした中間指標を計測すれば、単に最終成果だけを見るのではなく、ユーザーの行動フローを段階ごとに追跡でき、改善の具体策を見つけやすくなります。
また、複数のコンバージョンポイントを比較し、どの行動が売上につながりやすいかを検証することも可能です。
たとえば「無料会員登録を経由した購入」と「直接購入」では、広告の効果が異なるケースがあります。
カスタムコンバージョンを活用すれば、どのプロセスを強化すべきかが明確になり、広告戦略の精度を高められます。
このように、標準的な成果計測だけでは不十分な場合、カスタムコンバージョンは非常に強力な分析手段となるのです。
計測期間を柔軟に設定できるメリット(1〜90日)
カスタムコンバージョンの大きな特徴の一つに、計測期間を柔軟に設定できる点があります。
通常、コンバージョンは広告接触からどのくらいの期間で成果が発生したかをトラッキングしますが、この期間を1日から90日まで自由に変更できるのです。
たとえば、衝動的に購入されやすい低価格商材であれば1〜7日程度の短期計測が適しています。
一方、高額商品やBtoB商材のように検討期間が長いケースでは、30日や90日といった長期の計測期間を設定することで、実態に即した成果把握が可能となります。
この調整機能によって、ビジネスモデルや商品特性に合わせた効果測定ができ、正確な投資対効果の算出が可能になります。
また、期間を変えて計測データを比較することで、ユーザーの購買までの平均検討期間を分析することもでき、広告運用の改善に役立ちます。
つまり、計測期間の柔軟性は、広告主が自社の商品特性や顧客行動に合わせた戦略を立てるうえで欠かせない要素となるのです。
LINE広告のCVタグとカスタムコンバージョン設定手順
LINE広告で正確な成果計測を行うには、CVタグの設置とカスタムコンバージョンの設定が欠かせません。
ここではLINE Tagの取得から、CVタグの実装方法、さらにカスタムコンバージョンの作成手順までをステップごとに解説します。
STEP1:LINE Tagの取得
LINE広告でコンバージョンを計測するためには、まずLINE Tagを取得する必要があります。
取得はLINE広告の管理画面である「広告マネージャー」から行います。
手順としては、管理画面にログイン後、「ツール」メニューから「タグ設定」を選び、新しいLINE Tagを発行します。
このとき、ベースコードが発行され、Webサイトの全ページに設置することでユーザー行動をトラッキングできるようになります。
広告マネージャーでは、タグの発行と同時にタグIDが割り振られるため、このIDを用いてCVタグやイベントコードと連携させます。
ここで発行するLINE Tagは、計測や最適化の基盤となる重要な仕組みです。
正しく取得しておくことで、以降の設置やカスタムコンバージョン作成がスムーズになります。
STEP2:CVタグの設置方法
次のステップでは、CVタグの設置を行います。
CVタグの設置は、「Webサイトに直接設置する方法」と「Googleタグマネージャーで設置する方法」の2つの方法があります。
Webサイトに直接設置する場合
CVタグを直接Webサイトに設置する場合、取得したベースコードを全ページに貼り付け、さらに特定の成果ページ(例:購入完了ページや会員登録完了ページ)にコンバージョンコードを追加します。
設置はHTMLのタグ内、または閉じタグ直前に配置するのが一般的です。
正しく配置されていないと成果が計測できないため、コードの設置場所や表記ミスには細心の注意が必要です。
また、動作確認にはLINE広告のプレビュー機能やタグ確認ツールを活用することで、実際にイベントが発火しているか検証できます。
直接設置はシンプルですが、ページごとに設置作業が必要なため、管理工数が増える点も理解しておく必要があります。
Googleタグマネージャー(GTM)で設置する場合
Googleタグマネージャーを使う場合、コードの直接編集をせずにタグを一括管理できるのが大きなメリットです。
まず、GTMにログインし「新しいタグ」を作成します。
タグタイプとして「カスタムHTML」を選び、LINE Tagのベースコードを貼り付けます。
その後、トリガーを「全ページ」に設定して保存します。
さらにCVタグを設置する場合は、成果地点のURLに応じたトリガーを設定し、コンバージョンコードを同様にカスタムHTMLで登録します。
GTMを使えば管理画面上でタグのオンオフや条件変更ができるため、運用の柔軟性が高まります。
特に複数サイトを運営している場合や、頻繁にイベント条件を変更する場合には非常に有効な方法です。
STEP3:カスタムコンバージョンの作成
最後にLINE広告内でカスタムコンバージョンを作成します。
イベント条件とURL条件の設定方法
カスタムコンバージョンを作成する際は、どの行動を計測対象とするかを条件として設定します。
イベント条件を使えば「購入」や「会員登録」など特定のアクションを直接指定でき、URL条件を使えば「/thanks」や「/cart」など特定のページ到達を基準に計測可能です。
これにより、単純な最終成果だけでなく、ユーザーの途中行動も追跡できるようになります。
設定画面では、対象とするLINE Tagを選択し、条件を入力して保存するだけで新しいカスタムコンバージョンが作成されます。複数条件を組み合わせて精緻な計測を行うことも可能です。
有効期間の設定と最適化対象の選び方
カスタムコンバージョンでは、有効期間を1〜90日の範囲で自由に設定できます。
たとえば短期間で意思決定される商材なら7日以内、検討期間が長いBtoB商材なら30〜90日といった形で調整できます。
適切な期間設定をすることで、広告効果の実態に即したデータを取得可能です。
また、最適化対象をどこに置くかも重要です。最終的な購入だけを対象にすると成果数が少なく学習が進みにくいケースがあります。
その場合、中間指標(例:カート追加やフォーム入力完了)を最適化対象に設定することで、広告配信の精度を高められます。
こうした工夫により、単なる成果測定にとどまらず、広告運用全体の効率化と成果向上につなげることができます。
設定ミスを防ぐための確認方法
LINE広告のCVタグやカスタムコンバージョンを正しく活用するためには、設定後の確認作業が欠かせません。
広告マネージャーでのタグ発火確認やステータスの意味を理解し、計測が正しく行われているかを常にチェックすることが重要です。
ここでは、設定ミスを防ぐための確認方法について解説します。
広告マネージャーでタグ発火を確認する手順
LINE広告の管理画面である広告マネージャーには、タグの発火状況を確認する機能が用意されています。
タグを設置した後、まず広告マネージャーにログインし、「ツール」から「タグ管理」を開きます。
ここでは、設置したタグごとに「発火回数」や「最終発火日時」が確認可能です。
発火が確認できれば、ユーザーがWebサイトを訪問した際にタグが正しく動作していることを意味します。
特に新しく設定した直後は、実際にテストアクセスを行って発火状況を確認することが推奨されます。
もし数時間経っても発火が記録されない場合、設置場所の誤りやコードの記述ミスが考えられるため、速やかに修正が必要です。
広告マネージャーでの定期確認は、成果計測の安定性を保つための基本作業といえるでしょう。
ステータス(利用可能 / 停止中)の意味
広告マネージャーでは、各タグに「ステータス」が表示されます。主な状態は「利用可能」と「停止中」の2種類です。
「利用可能」はタグが正常に機能しており、発火や計測が行えている状態を示します。
一方で「停止中」はタグが一定期間発火していない場合や、設定に問題がある場合に表示されます。
例えば、成果ページのURL変更やタグの削除によって発火が途絶えると、自動的に「停止中」となります。停止状態が長く続くと、その間のデータは計測されず、最適化にも影響します。
そのため、定期的にステータスをチェックし、異常があれば迅速に対応することが重要です。
単なる表示ではなく、広告配信の成果に直結する重要な指標であることを理解しておきましょう。
正しく計測されないときのチェックポイント
タグを設置しても計測がうまくいかない場合、いくつかのチェックポイントを確認する必要があります。
第一に、タグの設置場所が正しいかどうかです。
ベースコードは全ページ、CVタグは成果ページに正しく挿入されているかを再確認しましょう。
第二に、コードに余分な改行や全角文字が混在していないかも重要です。HTMLの記述不備によってタグが機能しないケースは少なくありません。
さらに、Googleタグマネージャーを利用している場合は、トリガー条件が正しく設定されているかを見直すことが必要です。
また、ブラウザの拡張機能や広告ブロッカーによってタグが発火しないこともあるため、異なる環境でテストを行うことも有効です。
最後に、広告マネージャー上の発火ログやステータスを総合的に確認し、どの段階で問題が生じているのかを切り分けることが大切です。
こうした手順を踏むことで、計測漏れを防ぎ、安定したデータ取得につなげることができます。
LINE広告のコンバージョン測定結果の確認
LINE広告では配信後に成果を数値化して確認することが重要です。
ダッシュボードやパフォーマンスレポートを活用すれば全体像から詳細分析まで可能であり、さらにGoogleアナリティクスとの連携により流入経路を可視化できます。
ここでは、LINE広告のコンバージョン測定結果の確認について解説します。
ダッシュボードで概要を確認
LINE広告の管理画面にあるダッシュボードは、キャンペーン全体の成果を一目で把握できる便利な機能です。
表示されるデータにはインプレッション数、クリック数、コンバージョン数などがあり、広告がどの程度ユーザーにリーチし、どれだけ成果につながっているかを素早く確認できます。
特に日次や週次の推移を確認することで、改善が必要な広告セットや成果が安定している配信を見極めることができます。
さらに、ダッシュボードでは指標をカスタマイズできるため、自社のKPIに沿った形で数値を追える点もメリットです。
まずは全体像を掴み、その後に詳細分析へ進む流れが効果的です。
定期的にダッシュボードを確認する習慣を持つことで、異常値や傾向の変化にいち早く気づくことができます。
パフォーマンスレポートで詳細を確認
ダッシュボードで概要を把握した後は、パフォーマンスレポートで詳細を確認することが推奨されます。
このレポートではキャンペーン、広告セット、クリエイティブごとの成果を細かく分析できるため、どの要素が成果に寄与しているのかを特定できます。
例えば、同じターゲット設定でもクリエイティブの違いによってCVR(コンバージョン率)が大きく変動することがあります。
その場合、成果が良いクリエイティブを基準に他の広告を改善する判断材料となります。
また、レポートをエクスポートして社内共有すれば、広告運用チーム全体で状況を把握しやすくなり、迅速な改善サイクルを回すことが可能になります。
単なる数値の羅列ではなく、傾向を読み解き、次のアクションへとつなげる姿勢が大切です。
Googleアナリティクスと連携して流入分析する方法(パラメーター設定)
LINE広告の管理画面で得られるデータだけでは、サイト流入後のユーザー行動までは把握しきれません。
そこで有効なのがGoogleアナリティクスとの連携です。広告URLにUTMパラメーターを設定することで、どの広告からの流入かをGoogleアナリティクスで追跡できます。
これにより、広告経由で訪問したユーザーがサイト内でどのように行動し、最終的にコンバージョンにつながったかを分析可能になります。
例えば、同じ広告でも新規ユーザーとリピーターで滞在時間や離脱率が異なることが明確になれば、ターゲティングやクリエイティブ改善のヒントとなります。
設定自体は難しくなく、URL生成ツールを活用してパラメーターを追加するだけで実装できます。
Googleアナリティクスを活用することで、より立体的な成果把握が実現し、広告運用の精度を高めることができるのです。
Cookieレス時代のカスタムコンバージョン活用
Cookieの利用制限が進むなか、LINE広告におけるコンバージョン計測は新しい手法が求められています。
その解決策となるのがコンバージョンAPIであり、カスタムコンバージョンと組み合わせることでより正確な成果把握が可能になります。
ここでは、Cookieレス時代のカスタムコンバージョン活用について解説します。
LINEコンバージョンAPIとは
LINEコンバージョンAPIは、従来のブラウザベースのトラッキングに依存せず、サーバー間でコンバージョンデータを送信できる仕組みです。
Cookie規制やITP(Intelligent Tracking Prevention)によって計測漏れが増えるなか、このAPIを活用することで広告主のサーバーからLINE側に直接コンバージョン情報を伝達でき、精度の高い計測が可能になります。
例えば、ユーザーがLINE広告をクリックしてECサイトで購入した場合、その行動データをブラウザ経由ではなくサーバーから送信するため、Cookieが削除されても成果が記録される仕組みです。
これにより、今後ますます制約が強まる環境下でも安定してデータを取得できる点が大きな特徴です。
サーバー間送信によるデータ精度向上
コンバージョンAPIの最大の利点は、データがサーバー間で直接やり取りされるため、計測精度が大きく向上することです。
ブラウザを介した計測では、ユーザーの環境設定や広告ブロッカーによってトラッキングが無効化されるケースがあります。
その結果、広告効果を正しく把握できず、運用の判断を誤るリスクが生じていました。
しかしサーバー送信を導入すれば、広告主の管理するシステム上の確定データ(購入履歴やフォーム送信など)をもとに成果を計測できるため、信頼性が高まります。
特にLTV(顧客生涯価値)の分析や、特定の購入ステップを精緻に追いたい場合にはサーバー連携が有効です。
データの欠損を防ぎ、広告運用に基づく意思決定の精度を上げることが期待できます。
メリット(レポート改善・オーディエンス活用・ターゲティング精度向上)
コンバージョンAPIを活用するメリットは多岐にわたります。
まず、レポートの改善が挙げられます。従来計測されなかったコンバージョンが反映されることで、広告の実際の成果を正しく把握できます。
さらに、そのデータを活用してオーディエンスリストを精緻化することが可能です。
例えば、購入完了者や資料請求完了者を正確に特定すれば、リターゲティング広告の効率が高まります。
また、最適化アルゴリズムに正確なデータを供給できるため、ターゲティング精度が大幅に向上します。
結果として、広告費の無駄を削減し、限られた予算の中で最大限の成果を引き出す運用が実現するのです。
このように、コンバージョンAPIは単なる計測精度向上にとどまらず、広告戦略全体の底上げに寄与する仕組みといえます。
導入時の注意点(技術的ハードル、自社サーバー対応の必要性)
コンバージョンAPI導入には多くのメリットがある一方で、いくつかの注意点も存在します。
最大の課題は技術的ハードルです。サーバーからLINEにデータを送信する仕組みを構築する必要があり、Web開発やシステム担当者の協力が不可欠です。
また、自社サーバー環境がAPI連携に対応していない場合、追加の開発工数や外部ベンダーへの依頼が必要になるケースもあります。
さらに、送信するデータの内容や形式に誤りがあると計測が正常に行われないため、事前のテストや検証も重要です。
特に個人情報を扱う場合は、プライバシーポリシーや利用規約の整備が求められるため、法務面での確認も欠かせません。
こうした課題をクリアしつつ導入を進めることで、Cookieレス時代に適応した持続的な広告運用体制を築くことができます。
まとめ
今回の記事では、LINE広告のカスタムコンバージョンについて解説しました。
カスタムコンバージョンを活用することで、標準的な計測では把握できない特定のアクションを捉えられ、広告の成果をより正確に評価できます。
フォーム送信や購入ステップなど細かな行動を追跡できるため、広告改善の指針となる精度の高いデータが得られるのが大きなメリットです。
一方で、タグの設置や設定を誤ると正しくデータが反映されないリスクがあり、専門的な知識が求められる場面も少なくありません。
特にCookieレス時代に備えた対策を考えるなら、最新の計測手法を取り入れることが不可欠です。
当社のLINE広告運用代行サービスでは、カスタムコンバージョンの導入から最適化まで一貫してサポートし、成果につながる運用体制を構築します。
広告効果を最大化するためには、プロの知見を活用し精度の高い計測を実現することが重要です。
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