| この記事でわかること |
|---|
|
当記事では、メルマガ制作の実績や知識が豊富な株式会社LATRUS(ラトラス)の代表が、メルマガの開封率を高めるための具体的な方法や、平均値・業界別データ、効果的な配信タイミングについて解説します。
この記事を読めば、自社メルマガの開封率を上げるための実践的な改善策や、成果を分析・向上させるためのポイントがわかるので、ぜひ最後まで読んで学んでください。
メルマガの開封率とは
メルマガの開封率とは、配信したメールが実際に読者に開かれた割合を示す指標です。
算出方法は
で求められます。
ここでいう配信成功数とは、エラーやバウンスを除いた有効配信数を指します。
たとえば、1,000件の配信で800件が届き、400件が開封された場合、開封率は「400 ÷ 800 × 100 = 50%」です。
この数値を基に、件名の改善や配信リストの精査、送信時間の調整といった施策を検討します。
開封率は読者の「興味の度合い」を定量化する目安であり、メール配信全体の効果を測るうえで最初に確認すべき基本指標です。
定期的に開封率を記録し、過去データと比較することで、改善の方向性を具体的に見出すことができます。
HTMLメールとテキストメールで計測精度が違う理由
メルマガの開封率を正確に把握するには、配信形式にも注意が必要です。
HTMLメールとテキストメールでは、開封の計測方法が異なるため、結果の精度にも差が生じます。
HTMLメールでは、本文内に埋め込まれた「トラッキング用の1ピクセル画像」が読み込まれた際に、開封が検知されます。
これにより、誰がどのタイミングで開封したのかを可視化できます。
一方、テキストメールは画像を使用しないため、開封を検知する仕組みが存在しません。
そのため、開封率を正確に測定することは困難です。
ただし、HTMLメールでも画像をブロックする設定をしている読者が一定数存在するため、実際の開封率は公表値よりも高いケースがあります。
開封率の数値を過信せず、クリック率やコンバージョン率と併せて分析することが望ましいでしょう。
開封率をKPIとして設定すべき理由
メルマガ施策において開封率をKPI(重要業績評価指標)として設定することは、配信効果を高めるために欠かせません。
開封率は、メールが「読まれるための入口」となるデータであり、件名や差出人名、配信時間の適切さを測るバロメーターとなります。
たとえば、配信リストをセグメント化し、開封率の高い層と低い層を比較することで、ターゲット戦略の見直しが可能です。
また、定期的にABテストを行えば、件名や送信時間の改善が定量的に評価できます。
さらに、開封率の向上はクリック率やコンバージョン率にも好影響を与え、最終的には売上やリード獲得数の増加につながります。
開封率をKPIとして継続的に管理することで、メルマガ運用の全体最適化が実現できるのです。
メルマガ開封率の平均はどれくらい?
ここでは、メルマガ開封率の平均値や業界ごとの違い、さらにBtoB・BtoCによる傾向の差を解説します。
全体平均とBtoB・BtoCの違い
メルマガの開封率は、業界やターゲット層によって大きく異なりますが、一般的な全体平均は約20%前後とされています。
BtoB(企業向け)の場合は、情報の専門性や必要性が高いため、平均開封率は25〜30%ほどとやや高めです。
一方、BtoC(一般消費者向け)のメルマガでは、購買意欲や関心のばらつきが大きく、開封率は15〜20%程度が目安となります。
この差は、受信者の目的意識の違いによるものです。
BtoBでは「業務に役立つ情報」を求めているため開封率が安定しますが、BtoCでは「興味があるときだけ開く」という行動が多く見られます。
したがって、BtoBでは内容の専門性を、BtoCではタイトルの訴求力を強化することが効果的です。
自社の業態を踏まえて適正なベンチマークを設定しましょう。
メルマガ開封率の業界別データ
業界によってメルマガ開封率の平均は大きく異なります。
特に、教育・医療・IT関連などの情報性が高い分野では、30%を超える高い開封率を記録する傾向があります。
一方、アパレルや小売業などの消費者向け業種では、セール情報が多く配信されるため、平均開封率は15〜20%程度に留まるケースが一般的です。
下記の表は、主要な業界別の平均開封率の目安を示したものです。
| 業界 | 平均開封率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 教育・研修 | 30〜35% | 情報への関心が高く、リピーターが多い |
| IT・ソフトウェア | 25〜30% | BtoB要素が強く、専門情報が好まれる |
| 小売・アパレル | 15〜20% | セール情報中心で一時的な関心が多い |
| 飲食・サービス | 18〜22% | 地域性や季節イベントによって変動が大きい |
このように、平均値は業界構造やターゲット層によって大きく変動します。
そのため、自社のメルマガがどの業界に位置するのかを明確にしたうえで、平均と比較することが分析の第一歩となります。
メルマガ開封率50%を目指すのは現実的?
メルマガ開封率50%という数値は非常に魅力的に見えますが、一般的な平均値から見ても現実的とは言えません。
多くの業界で20〜30%程度が標準的であり、50%を超えるケースは、限定的なターゲット配信や社内向けメールなど、特殊な条件下に限られます。
ただし、開封率を「平均以上」に引き上げることは十分可能です。
具体的には、件名の最適化、配信時間・曜日の見直し、リストのセグメント化などが効果的です。
特に、読者の関心が高まりやすい時間帯を把握して配信することで、開封率の向上が期待できます。
開封率50%を無理に目指すよりも、自社の平均値を定期的に測定し、1%ずつ改善していく姿勢が重要です。
持続的なデータ分析と改善の積み重ねこそが、信頼されるメルマガ運用につながります。
開封率を上げるための7つの具体的な施策
ここでは、メルマガの開封率を向上させるために実践できる具体的な7つの施策を紹介します。
配信リストを精査し、アクティブな読者に絞る
メルマガの開封率を上げる第一歩は、配信リストの質を見直すことです。
配信数を増やすよりも、「実際に興味を持っている読者」に届けることが重要です。
長期間開封していないアドレスをリストから外し、過去の開封履歴やクリック履歴を基にアクティブ層を抽出しましょう。
また、新規登録者や既存顧客をセグメント化して配信内容を変えることで、読者一人ひとりに合った情報を届けられます。
配信先の最適化は、スパム判定を避けるだけでなく、開封率・クリック率の双方を向上させる効果があります。
リストの「数」ではなく「質」に注目することが、成果を伸ばすための基盤になります。
読みたくなる件名にする
メルマガの開封率を左右する最も大きな要素のひとつが「件名」です。
件名は読者が最初に目にする情報であり、クリックするかどうかを決める重要な判断材料となります。
件名を作成する際は、短く具体的で、読者の興味や課題に直結する内容を意識しましょう。
たとえば、「限定」「無料」「今だけ」といったキーワードは即時性を高め、開封率を上げる効果があります。
また、「質問形式」や「数字を含めたタイトル」も効果的です。
反対に、曖昧で抽象的な件名やスパムを疑われるような表現は避けましょう。
過去の配信データを分析し、反応が良かった件名の傾向を把握することで、より戦略的なタイトル設計が可能になります。
差出人名を工夫して信頼感を与える
読者がメールを開くかどうかは、件名だけでなく「誰から送られてきたのか」にも大きく左右されます。
企業名だけの差出人では形式的な印象を与えてしまうため、担当者名や部署名を組み合わせて、親しみや信頼感を感じさせる表記にすることがポイントです。
たとえば、「株式会社LATRUS 広報チーム」や「LATRUS代表 高田」など、送り手が明確に伝わる形にすると、読者は安心して開封しやすくなります。
また、企業のブランドトーンに合わせた統一的な命名ルールを設定することも重要です。
差出人名の工夫は、開封率の向上だけでなく、企業全体のブランディングにもつながります。
継続的にA/Bテストを行い、最も反応の良い差出人名を見つけると良いでしょう。
プリヘッダーで件名の補足情報を伝える
プリヘッダー(メール本文の冒頭部分)は、件名と並んで開封を促す重要な要素です。
多くのメールクライアントでは、件名の直後にプリヘッダーの一部が表示されるため、ここで補足情報を入れることでクリック率が大きく変わります。
たとえば、「件名:秋の新商品をご紹介」なら、「プリヘッダー:今週末限定の先行販売情報も!」という形で、読者の関心をさらに引きつけます。
プリヘッダーを設定していない場合、メール本文の冒頭のテキストがそのまま表示されてしまい、意図しない文言が出てしまうこともあります。
件名とプリヘッダーはセットで設計し、短く具体的に内容を伝えることで、より効果的に開封を促すことができます。
開封率を上げる最適な配信時間と曜日
メルマガの開封率は、配信する時間帯や曜日によって大きく変化します。
一般的に、BtoB向けでは「平日10〜12時」や「14〜16時」が高い傾向にあり、業務の合間にメールをチェックする時間帯が狙い目です。
一方、BtoC向けでは「夜19〜21時」や「週末の朝」が比較的高い開封率を記録しています。
ただし、最適な時間は業種やターゲット層によって異なります。
配信ツールの分析機能を活用し、過去データから最も反応の良い時間帯を割り出すことが大切です。
また、曜日別にテストを行うことで、「火曜・木曜が反応が良い」といった傾向が見えることもあります。
定期的に検証し、自社の最適な配信タイミングを確立することが開封率向上の鍵となります。
スマホ閲覧を意識したデザイン・文字数に調整する
現在では、多くのユーザーがスマートフォンでメルマガを閲覧しています。
そのため、スマホ画面でも見やすいレイアウトや文字量を意識することが重要です。
件名は全角20文字前後に収め、本文も短い段落で区切り、視認性を高めましょう。
また、画像の多用は読み込み速度を遅くする可能性があるため、必要最低限に留めます。
フォントサイズも小さすぎないように調整し、指でタップしやすいボタン設計を心がけると良いでしょう。
モバイルファーストを意識したデザインは、開封率だけでなくクリック率の改善にもつながります。
読者がどのデバイスで閲覧しているかを分析し、スマホ中心のレイアウトに最適化することで、メルマガ全体の成果を高めることができます。
定期的なABテストでクリック率との関係を分析する
開封率を安定的に改善していくためには、定期的なABテストが欠かせません。
ABテストとは、件名・差出人名・配信時間などを少しずつ変えて複数パターンを比較し、どの要素が最も高い開封率を生み出すかを検証する方法です。
たとえば、同じ内容でも「質問形式の件名」と「数字入りの件名」を比較するだけで、結果に10%以上の差が出ることもあります。
さらに、開封率とクリック率を合わせて分析することで、メール全体の改善方向がより明確になります。
テストは一度で終わりではなく、季節や配信頻度の変化にも対応して継続的に実施することが大切です。
データを蓄積し、効果的な要素を積み重ねることで、開封率だけでなく読者とのエンゲージメント全体を高めることができます。
メルマガ開封率の調べ方と分析方法
ここでは、メルマガの開封率を正確に把握し、改善に活かすための代表的な測定・分析方法について解説します。
メール配信システムでの自動取得機能
多くのメール配信システムには、開封率を自動で計測する機能が備わっています。
これは、HTMLメール内に埋め込まれた1ピクセルの透明画像をトリガーとして、受信者がメールを開いたタイミングを検知する仕組みです。
開封数を送信数で割ることで開封率が算出されます。
また、配信ツールによっては、開封率に加えてクリック率や購読解除率、デバイス別の閲覧データなども取得可能です。
これにより、件名の魅力度や配信時間の適正、ターゲット層の反応傾向などを定量的に分析できます。
ただし、画像を非表示設定にしているユーザーやテキストメールでは正確なデータが得られにくいため、数値を絶対視せず、他の指標と併せて判断することが重要です。
Google Analyticsを使った開封率の測定手順
Google Analyticsを活用すれば、メール配信後のユーザー行動をより詳細に追跡できます。
HTMLメール内のリンクにUTMパラメータを付与し、どのメールからのアクセスかを判別する方法が一般的です。
例えば、URLに「?utm_source=mail&utm_medium=email&utm_campaign=2025_campaign」といったタグを設定することで、開封後のサイト訪問者数や滞在時間、コンバージョン率などを可視化できます。
これにより、「開封率は高いがクリック率が低い」「開封率は低いがコンバージョンは高い」といった傾向を把握でき、メール内容の改善に直結します。
メール配信システムだけでは得られない、行動分析まで踏み込めるのがGoogle Analyticsの強みです。
データ分析の際の注意点と改善サイクルの回し方
開封率データを分析する際には、単一の指標に偏らず、複合的に判断することが重要です。
たとえば、一時的に開封率が高くても、それがスパム的な件名によるものであれば、長期的な信頼性やエンゲージメントを損なうリスクがあります。
データを活かすためには、「仮説→実行→検証→改善」のサイクルを継続的に回すことが不可欠です。
件名の表現、配信時間、ターゲットリストの見直しなど、1回ごとに検証テーマを明確化し、結果を比較・記録することで、より精度の高いメール運用が可能になります。
また、季節要因や業界動向によって数値が変動することもあるため、過去のデータと並行して「期間別」「属性別」に分析することで、より実態に即した改善策を導き出すことができます。
開封率を上げることで得られる効果
ここでは、メルマガの開封率を高めることで得られる主な効果について解説します。
クリック率やコンバージョン率の向上
メルマガの開封率が高まるということは、それだけ多くのユーザーが実際にメールを読んでいるということです。
開封数が増えれば、当然ながら本文内のリンクやボタンをクリックする機会も増え、クリック率の上昇が期待できます。
さらに、メルマガ内でキャンペーン案内や商品ページへの導線を設けていれば、コンバージョン率(CVR)にも直結します。
特に、ターゲットに合わせたパーソナライズ配信を行うことで、「自分向けの情報」と感じてもらいやすく、クリック率と購買率の双方を高めることが可能です。
開封率を起点とした一連の行動データを分析することで、どの要素が成果につながったのかを可視化し、次回以降の配信に活かせる点も大きなメリットといえます。
顧客ロイヤルティやブランド信頼の強化
開封率の向上は、顧客との信頼関係が深まっているサインでもあります。
読者が定期的にメールを開くということは、そのブランドや企業の情報を「価値あるもの」と認識している証拠です。
メルマガを通じて有益な情報を提供し続けることで、読者とのコミュニケーションが自然と積み重なり、顧客ロイヤルティの強化につながります。
また、信頼感のあるブランドから届くメールは、スパム扱いされにくく、到達率の向上にも寄与します。
単にセール情報を送るだけでなく、役立つノウハウやコラム、最新ニュースを発信することで、「読む価値のあるメルマガ」としてファン化を促すことができます。
この積み重ねが、長期的な顧客維持やリピート購入の増加につながるのです。
PDCAを回すことで長期的なメルマガ改善へ
開封率の改善は、一度の成功で終わるものではありません。
継続的にデータを分析し、仮説検証を繰り返すことで、より効果的なメルマガ運用へとつながります。
PDCA(Plan・Do・Check・Action)のサイクルを意識し、件名・配信タイミング・本文構成などの要素を定期的に見直すことが重要です。
たとえば、過去の配信データをもとに「どの曜日に開封率が高いのか」「どの件名パターンでクリック率が伸びたのか」を比較・分析することで、より精度の高い戦略を立てることができます。
こうした取り組みを継続することで、短期的な数値改善にとどまらず、読者の興味や行動を理解した“戦略的メルマガ”へと発展させることができます。
長期的な信頼関係を築くためにも、PDCAの継続運用は欠かせません。
まとめ
今回の記事では、メルマガの開封率について解説しました。
メルマガの開封率は、読者の関心度を測る最も基本的な指標であり、売上や問い合わせ数などの成果にも大きく影響します。
件名や配信時間の工夫、リストの精査などを行うことで、確実に成果を伸ばすことが可能です。
しかし現実には、「開封率が平均より低い」「どのように改善すればよいかわからない」と悩む企業も多く見られます。
特に配信頻度やターゲット設定を誤ると、逆に配信停止やスパム扱いにつながるリスクもあります。
株式会社LATRUSでは、開封され、読まれ、行動されるメルマガを設計・制作しています。
「メルマガを配信しても反応がない」「ステップ配信をうまく活用できていない」
そんな課題をお持ちの方は、プロのライターが成果設計から配信設計まで伴走する【メルマガ制作サービス】をご活用ください。

