この記事でわかること |
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「デジタルマーケディングで成功するためのKPI設定はどうすれば良いのだろうか?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そもそも「本当にデジタルマーケティングにKPI設定は必要なのか?」と考えている人もいるかもしれません。
結論からいうと、デジタルマーケティングでKPI設定をすることはとても大切でメリットも大きいです。
KPI設定にはいくつかのコツがあり、そのポイントさえ押さえてしまえば失敗しないKPI設定ができるようになります。
当記事では、デジタルマーケティングのKPI設定について詳しく解説していますのでぜひ最後までご覧ください。
デジタルマーケティングにおける『KPI』とは
KPIとは『Key Performance Indicator』の略称で、直訳すると『重要業績指標』という意味になります。
重要業績指数とはその名の通り、目標を達成するために重要な業績を評価する指標のことです。
具体的に言うと、
- 何を
- どれくらい
- どの程度の期間で
達成するのかどうかを数値で表したもののことを指します。
デジタルマーケティングにおいてはアクセス数やコンバージョン率などがよくKPIとして設定されます。
デジタルマーケティングにおけるKPIの重要性
KPIは最終目標を達成するための中間目標値として用いられることが多く、デジタルマーケティングにおいて非常に重要な指標です。
デジタルマーケティングの施策を実行する際に、最終的なゴールしか設定されていない場合、目標達成するための最適なプロセスが見えづらくなりがちなのです。
しかしKPI設定をすることで、目標達成までの過程で何を改善するべきなのか?を可視化することができます。
実際にどのように活用するものなのか、WEBサイトから自社商品の申込ができるバナー広告を設置しているが、アクセス数はあるものの購入者数が思うように伸びなかったケースを例として挙げます。
例えば、バナー広告からの商品購入者数を月に20人目標としているのに対し、現状のバナー広告からの商品購入者数が月に10人(サイトの訪問者数は月に2,000人)の場合、まず現状のCVRは
CV(商品購入者数)10人÷サイトの訪問者数2,000人×100=0.5%
とすると、商品購入者数を目標値の20に達成するためには、
目標CV(商品購入者数)20人÷サイトの訪問者数2,000人×100=CVR1.0%
とCVR0.5%から1.0%に改善すれば目標に達成できることが分かります。
改善箇所が分かればあとはCVRを1.0%に上げるための行動をしていけば良いだけです。
このように、具体的な数値として可視化することにより目標までの道筋が明確かつ軌道修正も容易となるため、デジタルマーケティングにおいてもKPI設定はとても重要です。
KPIに似た用語との違い
KGIやKSFなど、KPIに似た用語も多く存在します。
似た用語ですが意味はそれぞれ全く異なるため、混同しないようにしましょう。
用語 | 意味 |
KPI | 重要業績指数 何を、どのくらい、どの程度の期間で達成できるか数値で示したもの |
KGI | 最重要業績指数 |
KSF | 成功するために重要な要因 |
特に混同しやすいものが『KPI』と『KGI』です。
KPIは重要業績指数であるのに対し、KGIは”最”重要業績指数を指します。
KGIが最も重要な業績指数なので、最終的なゴールとなる目標地点となります。
一方、KPIは前述した通り、最終的なゴールとなるKGIに向かうための中間目標です。
アンダーライン1
デジタルマーケティングにおいてKPI設定は重要と言いましたが、KPIだけを設定するのではなく、あくまで最終目標地点であるKGIが定めたうえでKPIをする必要があります。
KGIを設定してからKPIの設定に入るという順序であることを覚えておきましょう。
デジタルマーケティングにおいてKPIを設定するメリット
デジタルマーケティングにおいてKPIを設定するメリットは、目標への道筋が明確になるだけではありません。
KPI設定のメリット・目指すべき方向が明確となり無駄がなくなる
・モチベーションアップや維持に繋がる
・業務に対する理解や課題を明確にし即座に対応できる
デジタルマーケティングでKPI設定をすることで得られる上記3つのメリットについて詳しく見ていきましょう。
目指すべき方向が明確となり無駄がなくなる
デジタルマーケティングにおいてKPI設定をする最大のメリットは、目指すべき方向が明確になることです。
目指すべき方向が明確であれば、チーム全員が同じ方向を向き、目標達成のために一丸となることができます。
また、KPI設定により具体的な改善ポイントが明確となるため、今何をすべきなのかを把握しやすくなるのも利点です。
やるべきことが分からず一人一人バラバラな方を向き別々に動いていては目標達成が遅くなったり、いつまでたっても目標達成できない可能性もでてきます。
例えば、月間売上500万円を達成するというKGIがあったとして、KPIが設定されていなければメンバーが最終目標とズレた動きをする可能性は十分あります。
しかし、もしKGIに到達するためのKPIとして、見込み客1,000人集めるというKPIを設定していれば、チームメンバー全員で見込み客を1,000人集めるための施策をすれば良いだけなのです。
このようにKPI設定は目標達成のためにチーム全員が同じ方向を向き、やるべきことを明確にできるとても有効な手段だと言えます。
モチベーションアップや維持に繋がる
今何を改善するべきか、これからどう進んでいくべきかわかっていると、必然的にモチベーションアップや維持に繋がります。
「この作業をすることに意味があるのだろうか?」
「自分が取り組んでいることを継続すれば目標に達成できるのだろうか?」
といった疑問や不安を持っていては仕事に対するモチベーションは下がってくるのは当然です。
しかし、KPI設定をしておけば具体的な数値で示され自分の経過や指針がわかるため、これでいいのか?という不安に襲われることはなく、やるのはただシンプルに設定したKPIに向かって取り組むだけです。
業務に対する理解や課題を明確にし即座に対応できる
デジタルマーケティングでKPI設定をすることで、課題の明確化も即座に行うことができます。
「なんとなく調子が悪い」
「売上が少しづつ落ちている気がする…」
のような漠然とした不安ではなく、数値として示されるため課題の明確化は容易です。
「売上を上げてくれ!」と言われるよりも、「リピート率は高いが、サイトからの新規顧客獲得数が30%と低迷しているので新規顧客の獲得に尽力して欲しい」と言われたほうが自分が今やるべきことが分かるはずです。
課題が早く見つかれば、すぐに対応できるため改善スピードの向上も期待できます。
デジタルマーケディングでKPIに設定されることの多い10項目
デジタルマーケティングにおいてKPIに設定されることの多い10項目をご紹介します。
KPIに多い10の項目1.CVR(コンバージョン率)
2.CPA(顧客獲得単価)
3.CTR(クリック率)
4.UU(ユニークユーザー)
5.PV(ページビュー)
6.セッション数
7.リピート率
8.回遊率・直帰率
9.エンゲージメント率
10.ROAS
それぞれどのような内容なのか詳しく解説していきます。
1.CVR(コンバージョン率)
CVR(コンバージョン率)とは、セッション数の中で自分が求める具体的な成果(コンバージョン)をどの程度獲得することができたのかを割合で示したものです。
コンバージョンとは?Webサイトに訪れたユーザーが、利益につながるアクションを起こすこと(成果)。
なお、コンバージョンは目的によって意味合いが異なり、商品販売を目的としたサイトの場合は商品購入、セミナー集客であれば参加申し込みがコンバージョンという解釈となる。
例えば、商品販売を目的としたサイトの場合は商品購入、セミナー集客であれば参加申し込みがコンバージョンとなるため、まずは自社のコンバージョンは何かを明確にしておくことが大切です。
CVRは以下の式で算出することができます。
計算式CVR=コンバージョン数÷サイト訪問者(クリック数)×100
商品購入が目的の場合、コンバージョン数は商品購入数となりますが、何を分母とするかでCVRの数値は大きく異なります。
2.CPA(顧客獲得単価)
CPA(顧客獲得単価)とは、ひとつのコンバージョンを得るためにかかった費用のことです。
『Cost Per Action』もしくは『Cost per Acquisition』を略してCPAと呼ばれます。
CPAは以下の式で算出することができます。
計算式CPA=広告費用÷コンバージョン件数
例えば、広告費20万円をかけて獲得したコンバージョンが50件だった場合には
200,000円÷50件=CPA4,000円となり、顧客1人を獲得するために4,000円かかったということです。
これが広告費用10万円でコンバージョンが50件だった場合は
100,000円÷50件=CPA2,000円となり、顧客一人を2,000円で獲得できたということになるため、CPAが低ければ低いほど広告の費用対効果が高いと言えます。
逆にCPAが高ければ高いほどマーケティング費用が高額になっているということです。
3.CTR(クリック率)
CTRとはページを見たユーザーのうち何人が誘導先リンクをクリックしたのかという割合のことです。
CTRは以下の式で算出することができます。
計算式CTR=クリック数÷表示回数
広告が適しているかどうかはもちろん、現状自社商品にどのくらいの人が興味を持ってくれているのかを確認するために有効なKPIです。
また、検索エンジンで指定した検索キーワードを入力した際、結果表示された中で自社のページがどのくらいクリックされているかを把握することで、SEO対策の効果測定も行うことができます。
4.UU(ユニークユーザー)
UU(ユニークユーザー)は、一定期間でサイトを訪問したユーザーを表します。
ユーザーと言っても、アクセスしたデバイスやブラウザの数をカウントしているため1人のユーザーが複数デバイスで同サイトを見た場合はUUもそれに伴い増加します。
しかし、何十台ものデバイスを1人所持して同じサイトを見るということはあまりありません。
そのため、UUはサイトにアクセスしているユーザーのだいたいの数を把握するのに有効です。
5.PV(ページビュー)
PV(ページビュー)は、そのページが表示された回数を指します。
今どの程度のユーザーが当該ページの情報に興味を示してくれているのかを測るのに有効です。
例えば、商品の販売ページであればPVを見ることで商品情報に対して興味の度合いを測る1つの指標として使うことができます。
6.セッション数
セッション数は、サイトに訪問したユーザーがページを閲覧し、離脱するまでの行動を指した数です。
自社サイト内のページを何度移動しても、ブラウザを閉じたり他サイトに移動しない限りセッション数は1となります。
一人のユーザーがサイトを訪れ離脱し、再度訪問した場合はセッション数2となるため、サイトの延べ訪問者数を測る際に有効です。
7.リピート率
リピート率は、その名の通り商品やサービスを再度購入してくれたユーザーの割合です。
リピート率は以下の式で算出することができます。
計算式リピート率=特定期間のリピート顧客数÷累計新規顧客数×100
例えば、累計新規顧客が500人、特定期間を当月内とし当月内にリピート購入した顧客数が100人とした場合、
100÷500×100=リピート率は20%ということになります。
リピート率と併せて、定期購入などの解約ユーザーの割合を出す解約率も求めることが一般的です。
自社商品の満足度を知るためには有効な項目といえます。
8.回遊率・直帰率
回遊率はサイト内でユーザーが見たページの数を見たかという指標です。
回遊率は以下の式で算出することができます。
計算式回遊率=PV÷セッション数
例えば、セッション数が100でPVが200の場合、
200÷100=2となり、1人あたりサイト内で平均2ページ閲覧しているということがわかります。
回遊率が高い=サイト内の複数ページに興味を持ったということです。
直帰率はサイト内の1ページしか閲覧せず離脱してしまったユーザーの割合です。
直帰率は以下の式で算出することができます。
計算式直帰率=直帰したセッション数÷全セッション数
例えば、10セッション数あるページで3セッションが1ページ閲覧後に離脱したとすると
3÷10=0.3%が直帰率となります。
サイト運営に関しては、回遊率を上げ直帰率を低くすることの両方を検討していくことが大切です。
9.エンゲージメント率
エンゲージメント率は、SNS投稿などに対しての反応数を指します。
・エンゲージメント率における反応・いいね
・返信
・リツイート
・画像や動画の表示
・投稿詳細の閲覧
・リンクやハッシュタグのクリック
エンゲージメント率が高い=投稿の露出が高くユーザーとの交流ができているということです。
デジタルマーケティングでSNSを活用する場合、エンゲージメント率をKPIに設定することも多くあります。
しかし、エンゲージメント率は、SNS投稿から商品購入や資料請求など本来の最終ゴールへ向かうための入り口にすぎません。
また、炎上などネガティブな反応もエンゲージメント率に含まれてしまうためエンゲージメント率が高いから良いというわけでは無いということを覚えておきましょう。
10.ROAS
ROASは『Return On Advertising Spend』の略で、広告の費用対効果を意味し、広告費に対して売上の見返りを表しています。
広告が売上に繋がっているのかどうかを確認するのに有効な項目です。
ROASは以下の式にあてはめて算出します。
計算式ROAS=広告による売上÷広告費×100
例えば、月200万円の広告費をかけて広告経由の売り上げが300万円の場合、
300÷200×100=150%となり、広告費以上の売上がたっていることがわかります。
ROASは回収率100%を基準とし数値が高くなるほど費用対効果が高いと判断しますが、上記の計算には原価などの経費は含まれていません。
なので、ROASを見る際は利益は考えずにあくまで「広告を出すこと売上の見込み」としてのみ利用するようにしましょう。
デジタルマーケティングのKPI設定を正しく行うコツ
デジタルマーケティングにおけるKPI設定を成功させるには、いくつかのコツがあります。
KPI設定のコツ・【Specific】具体的かつ明確に
・【Measurable】測定可能であるように
・【Achievable】達成可能である目標を
・【Relevant】適切に設定する
・【Time-bound】期限を必ず設定する
KPI設定のコツは、上記5つの頭文字をとり『SMART』と呼ばれることもあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【Specific】具体的かつ明確に
デジタルマーケティングに限らず、KPI設定は具体的かつ明確にしましょう。
KPIの定義が間違っていると、せっかく設定しても指針がずれてしまい意味がなくなってしまいます。
例えば、KPI設定によく使われる項目でも紹介しましたが、CVRをKPIに設定する場合まずコンバージョンを明確にしておく必要があります。
CTRやPVのように定義が定まっている項目もありますが、目的に合わせて自分で定義を設定する項目に関しては特に注意して設定してください。
【Measurable】測定可能であるように
KPIは明確で具体的な数値として測定できるものにしてください。
現実的に計測可能な数値をKPIにしなければ具体的かつ明確な指針を把握することができません。
【Achievable】達成可能である目標を
KPI設定は達成可能である目標にしましょう。
達成が到底できないようなKPIを設定してしまうとモチベーション低下に繋がってしまいます。
だからといって、漠然とした目標ではいけません。
「何カ月で何%KPIを向上させる」など、具体的な数値を用いて設定することをおすすめします。
【Relevant】適切に設定する
KPIは目標を達成するために適切な項目で設定しなければ意味がありません。
KGIを設定してからKPIを設定することはもちろん、目標達成のために必要な項目を採用してください。
【Time-bound】期限を必ず設定する
KPI設定の際は必ず期限を設けましょう。
目標が定まっていても、いつか達成できたらいいなという気持ちでダラダラ続けてしまっては意味がなくなってしまいます。
デジタルマーケティングの世界も数値も日々変化しているため、ずっと同じ目標やKPIであるということはありません。
無理のない期限を定め、そこに向かいKPIでPDCAサイクルを回していくことが大切です
デジタルマーケティングの目的によってKPIは異なる
デジタルマーケティングの目的によって、KPIや設定するべき項目は異なるので注意が必要です。
続いては、サイト別にどのようなKPIにするべきなのかを解説します。
ECサイト・申込型サイトのKPI
ECサイトとは、amazonや楽天などのモール型ECなどを指し、申込サイトとはセールスレター(販売用LP)指します。
ECサイトや申込サイトの場合、売上(申込)アップを目標としていることが一般的でしょう。
そのため、売上アップの達成度を測ることができる項目をKPIに設定することが大切です。
KPIの例・CVR
・CPA
・ROAS
・リピート率
・新規購入者数
・購入頻度
・顧客単価
情報提供型サイトのKPI
情報提供型サイトとは、サービス認知拡大や広告収入をメインとしたオウンドメディアなどを指します。
情報提供型サイトの場合、より多くのユーザーにサイトを閲覧してもらうことが目標となるため以下のような項目をKPIとすることが多いです。
KPIの例・PV
・UU
・セッション数
・回遊率、直帰率
・エンゲージメント数
見込み客獲得サイトのKPI
見込み客獲得サイトとは、ホームページやオプトインページ(オプトLP)を指します。
オプトインページとは?メールマガジンや公式LINEへの登録を促すウェブサイトのこと。
問い合わせやメルマガ登録などからその後の見込み客を獲得することが目標ですが、最終ゴールはあくまでも成約ということを忘れずKPI設定をしましょう。
SNSに関するKPI
Facebook等のSNSの場合、エンゲージメント率を高めるのはもちろんですが、その後の最終ゴールである商品販売や成約という目標につなげていくことが大切です。
KPIの例・CVR
・エンゲージメント率
・トラフィック数
デジタルマーケティングにおけるKPI設定のプロセス
デジタルマーケティングにおけるKPI設定のプロセスは以下の流れで行います。
KPI設定の手順・最終目標(KGI)を設定する
・目標達成するための成功要因(KSF)を設定する
・KPIを設定する
既に何度か述べていますが、KPIを設定するためにはまず最終目標であるKGIを定めましょう。
さらに、目標達成するための成功要因であるKSFを決めてからKPIを設定すると目標までのずれがなくなります。
例えば、
KGI…ECサイトの売上を前期より15%増加させる
↓
KSF…顧客単価の増加・新規顧客数の増加
↓
KPI…CVRを2%増加させる・サイト回遊率80%にする
などといったように、最終目標から逆算していくことが大切です。
まとめ
デジタルマーケティングにおいて、KPI設定はとても重要です。
最終目標への道筋を明確にし、課題の把握と改善もスピーディーになるため、無駄な行動やモチベーションが低下するリスクも回避できます。
しかし間違ったKPI設定をしてしまうと何の意味もありません。
KPI設定をする際は、最終目標であるKGIから逆算して考えていくことを忘れないようにしましょう。
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