この記事でわかること |
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デジタルマーケティングでリードは獲得できているのに、インサイドセールスとの連携がうまくいかず、商談や受注に繋がらない…そんな課題を感じている方は多いのではないでしょうか。
そこで、今回はデジタルマーケティングとインサイドセールスの連携で成果を出す方法について解説します。
この記事を読めばリード獲得から商談・受注までの流れを仕組み化する具体的な連携手法がわかるので、ぜひ最後まで読んで学んでください。
なぜ今「デジタルマーケティング×インサイドセールス」なのか?
デジタル化の進展や営業の分業化、そして顧客の購買行動の変化により、デジタルマーケティングとインサイドセールスの連携がこれまで以上に重要になっています。
ではなぜ今、デジタルマーケティングとインサイドセールスの連携が重要になっているのか?その理由を解説します。
従来の営業手法の限界と変化
これまでの営業活動では、営業担当者がテレアポや飛び込みといったアウトバウンド中心のアプローチで案件を獲得し、クロージングまで一貫して対応するスタイルが主流でした。
しかし、近年ではその手法に限界が見え始めています。
電話や訪問に対する反応率は年々低下し、見込み客に接触できたとしても、すぐに商談へと進むケースは少なくなっています。
また、営業担当がすべての業務を担う属人的なやり方では対応件数やスピードに限界があり、組織としての成果を最大化できません。
顧客も情報収集においてオンラインを活用するようになり、必要な情報が揃ってから初めて営業担当と接点を持とうとする傾向が強くなっています。
こうした背景から、従来の営業スタイルに依存している企業は成果が出にくくなっており、マーケティングとの連携やインサイドセールスの導入が避けて通れない状況になってきています。
分業型営業体制の台頭
近年、多くの企業で導入が進んでいるのが「分業型営業体制」です。
これは営業活動を「リード獲得」「商談創出」「クロージング」のようにフェーズで分け、それぞれを専門チームが担うモデルです。
デジタルマーケティングでリードを獲得し、その後インサイドセールスが初期対応・育成を行い、ホットになったリードをフィールドセールスがクロージングするという流れです。
このモデルの強みは、各フェーズにおいて最適なリソースと施策を割り当てられることにあります。
例えば、マーケティングチームがSEOや広告運用で効果的にリードを集め、インサイドセールスがその中から有望な見込み客を選別・育成し、営業チームは成約率の高い商談に集中できます。
分業体制により、営業1人あたりの生産性が向上し、成果の再現性も高まります。
また、リードが明確な育成プロセスを経ることで、営業とのミスマッチや機会損失も減少します。
結果として、全体の売上効率が向上するのです。
顧客の購買行動の変化(情報収集フェーズの長期化)
現代の顧客は、購買を検討する際にまずオンラインでの情報収集を行い、自ら学習して比較検討を進める傾向が強くなっています。
この情報収集フェーズが長期化しており、企業側が早期に接触しても、顧客はまだ「検討段階」にいるため、すぐに商談や成約に至らないケースが増えています。
そのため、初期接触の段階では売り込みよりも、顧客が求める情報を適切に提供し、信頼を築くアプローチが求められます。
ここで重要なのが、デジタルマーケティングとインサイドセールスの連携です。
マーケティングはホワイトペーパーやメールマガジン、セミナーなどで情報提供を行い、インサイドセールスは見込み客の興味・関心の変化を察知してフォローアップを重ねます。
このように、顧客の購買行動に合わせてタイミングよくコミュニケーションを取ることで、受注に至る可能性が高まり、結果として営業全体の効率も上がっていきます。
顧客主導の購買プロセスを理解し、それに寄り添ったアプローチが今後ますます重要になるでしょう。
デジタルマーケティングとインサイドセールスそれぞれの役割とは?
デジタルマーケティングとインサイドセールスは、顧客獲得のプロセスにおいて異なる役割を持ちます。
両者の連携が、リードの最大活用と売上の安定化に直結します。
それぞれの役割を解説します。
デジタルマーケティングの役割
デジタルマーケティングの主な役割は、「リードの獲得」と「スコアリング(見込み度の評価)」です。
自社サイト、SEO、リスティング広告、SNS、ホワイトペーパー、ウェビナーなどを活用し、潜在顧客にアプローチし、問い合わせや資料請求などのアクションへと導きます。
獲得したリードに対しては、MA(マーケティングオートメーション)ツールなどを活用し、行動履歴や属性情報をもとにスコアをつけ、確度の高い見込み客を選別します。
この「リードの質」を上げる活動が、後工程であるインサイドセールスやフィールドセールスの成果に大きく影響します。
また、デジタルマーケティングの強みは、定量的なデータに基づく改善活動です。
広告のクリック率や資料ダウンロード数、メルマガの開封率など、あらゆる指標をもとに施策の効果を分析し、PDCAを高速に回すことができます。
これにより、リードの数と質を着実に向上させていけるのです。
インサイドセールスの役割
インサイドセールスの役割は、デジタルマーケティングで獲得したリードを「商談化」へと導くことです。
まだ購入意欲が高くない顧客に対して、電話・メール・オンライン面談などを通じて情報提供やヒアリングを行い、関係性を築きながらニーズを顕在化させていきます。
リードによっては、即時に商談化できる「ホットリード」もありますが、多くは「コールド」または「ウォーム」の段階にあり、一定期間のフォローアップが必要です。
ここで重要なのが「ナーチャリング(育成)」です。
インサイドセールスは顧客の興味や課題に合わせた情報を適切なタイミングで提供し、購買意欲が高まった段階で営業部門に引き渡します。
この役割を的確に果たすためにはリードの行動履歴やスコア、属性情報を把握し、優先順位をつけてアプローチすることが不可欠です。
インサイドセールスは、営業の前段階を効率化し、営業チームが本当に価値ある商談に集中できるよう橋渡しをする存在なのです。
よくある「分断パターン」とその課題
多くの企業では、デジタルマーケティングとインサイドセールスの間に「情報の壁」や「意識のズレ」が存在し、これが成果最大化を妨げています。
典型的な分断パターンは、「マーケティング部門が集めたリードに営業が納得しない」「インサイドセールスがどのようなリードを優先すべきかわからない」「リードを渡した後の成果がフィードバックされない」といったケースです。
このような分断が起きると、せっかくコストをかけて獲得したリードが活かされず、マーケティングと営業の相互不信につながります。
さらに、リードの対応遅れや重複対応といった非効率も発生し、結果として機会損失や顧客満足度の低下を招くことになります。
これらの課題を解決するためには、まず「リードの定義」を両部門で明確に共有し、リードステージや評価基準の共通理解を図ることが必要です。
また、SFAやCRM、MAツールを活用して情報の可視化・一元管理を行い、部門間での連携プロセスを仕組み化することが不可欠です。
人的な連携だけでなく、ツールを通じたデータ連携によって、スムーズな連携体制を築けます。
連携によって得られる3つの営業成果
デジタルマーケティングとインサイドセールスの連携により、営業活動の質と効率が大幅に向上します。
以下では具体的に得られる3つの成果について解説します。
連携で得られる3つの成果①見込み顧客との接点創出が加速
②商談化率・受注率の向上
③営業リソースの最適配分と属人化の排除
①見込み顧客との接点創出が加速
マーケティング施策だけでは、獲得したリードが「ただのリスト」として眠ってしまうことも少なくありません。
しかし、インサイドセールスが連携することで、リードに対して素早く個別接点を持ち、関係性の構築が可能になります。
具体的には、ホワイトペーパーDLやセミナー参加など、何らかのアクションを取った見込み顧客に対して、即座にフォローコールやメールでアプローチし、認知から興味・関心へとステージを押し上げる役割を担います。
また、MA(マーケティングオートメーション)ツールで行動ログを取得することで、より確度の高い見込み顧客に絞って接点を創出できる点もポイントです。
タイミングと内容を見極めたアプローチにより機会損失を防ぎ、営業パイプラインの厚みを増すことができます。
この段階でのスピードと精度は、競合との差別化にも直結します。
②商談化率・受注率の向上
見込み顧客に対して適切な情報提供と関係性構築が行われていれば、いざ商談へ進んだ際の信頼度・理解度が高くなり、結果として商談化率・受注率が向上します。
マーケティング部門が提供するコンテンツや事例資料によって興味を深めた状態で、インサイドセールスが具体的な課題のヒアリングを実施することで、顧客自身のニーズが言語化され、購入意欲も高まります。
また、スコアリングや行動分析により「今、商談を仕掛けるべき相手」を可視化できるため、無駄なアプローチを減らし、営業効率も向上します。
リードを精査し、ホットな見込み顧客だけをフィールドセールスに引き渡すことで、成約までの歩留まりを高める仕組みが実現します。
このように、マーケティングで種をまき、インサイドセールスで育て、営業で刈り取るという一貫したプロセスが成り立つことで、営業成果に直結するリードの質と確度が向上するのです。
③営業リソースの最適配分と属人化の排除
マーケティングとインサイドセールスが連携することで、フィールドセールスの稼働は「本当に商談価値のある顧客対応」に集中できます。
これにより、営業チーム全体のリソース配分が最適化され、無駄なアプローチや非効率な訪問活動を減らすことができます。
加えて、インサイドセールスでは標準化されたスクリプトや対応フローを用いることが多く、属人化を防ぎやすいという特長があります。
これは、営業ノウハウの属人化が課題となる企業にとって大きなメリットです。
営業成果が個人スキルに依存する状態から脱却し、誰が担当しても一定の成果が出せる体制が構築されれば、採用・育成コストの圧縮にもつながります。
また、CRMやSFAツールを活用すれば、顧客情報の共有やナレッジの蓄積もスムーズになり、営業組織全体のナレッジマネジメントが進化します。
結果として、再現性のある営業プロセスが形成され、事業成長を支える安定的な営業基盤が構築されるのです。
連携を機能させる4つのポイント
デジタルマーケティングとインサイドセールスの連携を機能させるためには、具体的な仕組みと運用体制の整備が必要です。
ここでは4つの重要なポイントを解説します。
連携を機能させる4つのポイント①明確なスコアリングとリード定義
②MA・SFAツールの正しい設計と活用
③両チーム間のKPI共有と週次レビュー
④フィードバックサイクルと営業フローの可視化
①明確なスコアリングとリード定義(MQLとSQL)
連携の第一歩は、マーケティングとセールス双方で「良いリード」の定義を一致させることです。
一般的には、マーケティング部門が「MQL(Marketing Qualified Lead)」を、インサイドセールス部門が「SQL(Sales Qualified Lead)」を扱います。
しかし、その境界が曖昧だと、スコアの低いリードが営業に流れてしまい、無駄な商談や信頼の毀損を招く恐れがあります。
スコアリング設計においては、属性情報(会社規模・業種・役職など)と行動履歴(ページ閲覧数・資料DL・セミナー参加など)の両軸で評価を行うことが効果的です。
さらに、スコアに達したリードだけをインサイドセールスにパスすることで、営業効率が高まり、適切な顧客育成が実現できます。
部署間での共通認識を醸成し、スムーズな連携体制を構築しましょう。
②MA・SFAツールの正しい設計と活用
連携を実務レベルで支えるのが、MA(マーケティングオートメーション)とSFA(営業支援システム)です。
ツールの導入だけでは意味がなく、正しい設計と運用が不可欠です。例えば、MAで獲得・育成したリードの情報を、SFAを通じて営業部門へ引き継ぐ際、行動履歴・興味関心・過去の接点などが適切に共有されていなければ、せっかくのリードが台無しになります。
また、フォーム入力→スコアリング→フォローアクション→商談化までの流れを自動化することで、人的工数を減らしながら一貫した対応が可能になります。
さらに、各ツールにおいてKPIを可視化し、どこで成果が上がっていないのかを分析する体制も重要です。
システム設計時には、営業プロセスに即したカスタマイズやトリガー設定が成否を分ける鍵となります。
③両チーム間のKPI共有と週次レビュー
デジタルマーケティングとインサイドセールスの連携が形骸化しやすい理由の一つが、「KPIの分断」です。
マーケティングはリード獲得数を、インサイドセールスは商談化数や受注貢献度を指標とするケースが多く、それぞれが別のゴールを追いかけてしまうことがあります。これでは連携は機能しません。
そこで必要なのが、共通KPIの設定と週次単位の振り返りミーティングです。
たとえば、「MQL→SQLの移行率」や「ホットリードの初回接触速度」など、プロセス全体を俯瞰できる指標を共有し、両チームで改善アクションを議論する場を設けることが重要です。
週次で数字と実態をすり合わせることで、改善スピードが早まり、連携体制が定着していきます。
また、レビューの中で得た定性的な情報(たとえば「こういうリードは質が低かった」など)もドキュメントとして蓄積することで、マーケティング施策の改善にも役立ちます。
部門を越えたKPI共有こそ、強固な営業プロセス構築の土台となります。
④フィードバックサイクルと営業フローの可視化
PDCAを回すには、フローの「可視化」と「フィードバック」が欠かせません。
連携が上手くいっていない企業では、MQLがどこで滞っているのか、SQLがなぜ受注に至らないのかを可視化できていないケースが多く見られます。これでは改善の手が打てません。
まずは、リードのライフサイクル全体をプロセスマップとして可視化しましょう。
たとえば、「フォーム入力→MQL→初回架電→ヒアリング完了→商談設定→成約」という流れを図示し、各ステージに必要なKPIや対応アクションを明文化します。
その上で、営業・マーケの両視点から「詰まりやすいポイント」に対するフィードバックを出し合い、定期的にフローの見直しを行う体制を作ります。
このサイクルが機能すれば、マーケティング部門の施策改善、インサイドセールスの対応品質向上、さらには営業戦略全体のアップデートにもつながります。
単なる分業ではなく、進化し続ける“共創体制”を構築することが、競争力の源泉となるのです。
デジタルマーケティング×インサイドセールス活用例
マーケティングとインサイドセールスの連携は、理論だけでなく実務でこそ効果を発揮します。
ここでは導入前の課題から導入後の成果イメージ、実際に運用を成功させた組織体制まで例をご紹介します。
導入前の課題(例:属人営業、リード放置)
営業活動が属人的で、成果が特定のトッププレイヤーに依存していた企業では、マーケティング施策により一定数のリードは獲得していたものの、マーケティング施策は営業担当者の“手が空いていれば対応する”といった扱いで、結果的に多くの見込み顧客が放置されているというのはよくあることです。
さらに、営業とマーケの連携も弱く、リードの質に関するフィードバックは希薄で、「とにかく数を渡す」ことが目的化されています。
そうなると、商談化までのタイムラグも長く、検討熱度が高い顧客を逃してしまうケースも多数でてきます。
このように、情報共有の断絶と対応の属人化が、営業活動全体のボトルネックとなっていくのです。
導入後の変化(例:受注率2倍、営業スピードアップ)
その企業がマーケティングとインサイドセールスの分業体制を構築したことで、状況は大きく改善できます。
マーケティング部門はMAツールを活用してリードのスコアリングとナーチャリングを実施し、インサイドセールスはホットリードに絞ってスピーディにアプローチを行う運用に移行することにより、リード放置が激減し、対応スピードが2倍以上に向上させることが可能です。
さらに、SQL(Sales Qualified Lead)化されたリードの質が高まったことで、フィールドセールスによる商談の成約率も飛躍的に向上できます。
実際に機能させるための社内体制と仕組み
このような成功を実現するには、単にツールを導入するだけでは不十分です。
まず必要なのは、明確な役割分担とリード定義です。
マーケティング部門が「誰をターゲットとし、どの状態まで育成するか」、インサイドセールスが「どのリードにどう対応するか」の基準をドキュメント化し、両部門で共有することが重要です。
加えて、部門横断の「共通KPI」を設定し、たとえば「MQLからSQLへの転換率」や「初回接触から商談設定までの時間」など、連携の質を可視化する指標を運用します。
これにより、数値に基づいた改善が可能になります。
さらに、週次の定例ミーティングで定性的な情報(例:最近のリードの反応傾向や顧客ニーズの変化)を交換する文化を根付かせることも効果的です。
今回紹介した例のように、仕組みと人の両面から連携体制を構築することが、デジタルマーケティング×インサイドセールスの真の活用につながるのです。
まとめ
今回の記事では、デジタルマーケティングとインサイドセールスを連携させることの重要性や効果について解説しました。
連携を機能させるには、役割の明確化と継続的な情報共有が欠かせません。
まずは社内の仕組みづくりから始めてみましょう。
当社は今回解説したようにデジタルマーケティングに関する情報を発信していますが、個別でデジタルマーケティングに関する相談を承っています。
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