LINE広告のビュースルーコンバージョンとは?仕組みと他媒体比較

    マーケティングコラム

    LINE広告のビュースルーコンバージョンのアイキャッチ
    この記事でわかること
    • LINE広告におけるビュースルーコンバージョン
    • 他媒体(YouTube広告など)との比較
    • LINE広告でビュースルーコンバージョンがないことによる課題

    当記事では、広告運用の実績や知識が豊富な株式会社LATRUS(ラトラス)の代表が、LINE広告におけるビュースルーコンバージョンの仕組みや、YouTube広告・Facebook広告・Yahoo広告・X広告との違いについて解説します。

    この記事を読めば、LINE広告でビュースルーコンバージョンが計測されない理由や、他媒体と比較した際の注意点、さらに正しく効果を把握するための対策がわかるので、ぜひ最後まで読んで学んでください。

    ビュースルーコンバージョンとは

    ビュースルーコンバージョン(VTC)とは、広告を見たもののクリックしなかったユーザーが、一定期間内に広告主のサイトでコンバージョンを起こした場合に記録される数値のことです。

    例えば、ユーザーがLINE広告をタイムラインで目にした際、その場でクリックはしなくても、数日後に検索経由で公式サイトに訪れ購入した場合、ビュースルーコンバージョンとして貢献を認識できます。

    これはテレビCMなどのマス広告に近い「認知から行動までの時間差」を可視化できる指標であり、広告の本質的な効果を測るうえで不可欠です。

    ビュースルーコンバージョンを含めることで、広告が直接的にクリックを獲得しなくてもブランド浸透や意思決定に影響を与えている事実を数値化できます。

    クリックコンバージョン(CTC)との違い

    クリックコンバージョン(CTC)は、ユーザーが広告をクリックし、そのままサイトに遷移して成果が発生した場合に記録されます。

    これは「広告接触から成果までが直接的に結びついたケース」であり、計測は比較的シンプルです。

    一方、ビュースルーコンバージョンはクリックが介在しないため、広告の認知効果や後日の行動変化を含めて評価できるのが特徴です。

    両者の違いを整理すると下表のようになります。

    コンバージョン種類行動の特徴計測タイミング
    クリックコンバージョン(CTC)広告クリック後、即座に成果発生クリック直後
    ビュースルーコンバージョン(VTC)広告閲覧のみで後日成果発生一定の計測期間内

    このように、ビュースルーコンバージョンはクリック数や即時成果だけでは見えにくい「広告が潜在的に与える効果」を数値として補完する役割を果たします。

    広告効果の全体像を把握するための重要指標

    広告運用において、クリック数や直接成果だけを見ていると、実際の効果を過小評価してしまうリスクがあります。

    特にLINE広告のように生活導線に自然に溶け込む形で表示される広告は、即座のクリックよりも「見たことによる後日の行動」に大きな影響を与えやすい傾向があります。

    そのため、ビュースルーコンバージョンは広告の間接効果を把握するために不可欠な指標といえます。

    また、YouTube広告やFacebook広告などではビュースルーコンバージョンが標準で提供されるケースが多く、広告主はクリック成果だけでなくVTCも含めて評価することで、実際のROIや広告の真の価値をより正確に理解できます。

    広告効果の全体像をつかむには、クリックコンバージョンとビュースルーコンバージョンを組み合わせて分析することが推奨されます。

     

    LINE広告におけるビュースルーコンバージョン

    LINE広告のデフォルト仕様では、クリックを起点とするコンバージョンのみが成果としてカウントされます。

    ユーザーが広告を目にして後日商品を購入した場合でも、クリックを伴わなければ計測されません。

    例えば、ユーザーがタイムラインで広告を閲覧し、印象に残った後に検索して公式サイトを訪問・購入したケースは成果に反映されないのです。

    これは「広告を見た影響が数値化されにくい」という特徴につながります。

    他媒体のようにビュースルーコンバージョンが標準的に含まれる場合と比べると、LINE広告は「クリックに直結した行動」だけを重視する傾向があるため、広告評価が限定的になるという認識が必要です。

    一部条件ではビュースルーコンバージョン計測可能

    ただし例外として、LINE広告のアプリインストールキャンペーンや特定の設定を行った場合、ビュースルーコンバージョンが計測されるケースがあります。

    これは広告表示を起点として、アプリが一定期間内にインストールされたかどうかを計測する仕組みです。

    アプリプロモーションのように、クリックよりも「認知後の自然な行動」が重要な施策では、VTC計測が実際の効果把握に役立ちます。

    例えば、ユーザーが広告を見てすぐにダウンロードせず、数日後に思い出してアプリを検索・インストールした場合でも、広告の影響を認識できるようになります。

    つまり、すべてのキャンペーンでVTCが利用できるわけではありませんが、利用条件を理解し適切に設定することで、広告成果をより正確に把握できるのです。

    他媒体(YouTube広告など)との比較

    LINE広告ではビュースルーコンバージョンの計測が限定的ですが、他媒体では標準的に導入されているケースが多く、それぞれの広告媒体によって計測仕様に差があります。

    ここではYouTube広告、Facebook広告、Yahoo広告、X広告の4つを取り上げ、LINE広告と比較した特徴を解説します。

    YouTube広告の場合

    YouTube広告では「エンゲージビューコンバージョン(EVC)」が導入されており、広告を10秒以上視聴したユーザーが一定期間内にコンバージョンに至った場合、成果としてカウントされます。

    クリックを必要とせず、視聴という行動自体が評価対象となるため、計測範囲が広いのが特徴です。

    例えば、ユーザーが商品紹介動画を視聴しただけで後日検索から購入に至った場合でも、VTCとして広告の貢献度を把握できます。

    これにより、YouTube広告は認知拡大や比較検討における効果を数値化しやすく、LINE広告よりもVTCが反映されやすい環境が整っています。

    視聴行動を成果指標に組み込むことで、動画広告ならではの中長期的な影響力を可視化できる点が大きな強みです。

    Facebook広告の場合

    Facebook広告は、広告を閲覧しただけでもコンバージョン計測の対象に含まれる設計が採用されています。

    そのため、クリックをせずに後から商品を購入した場合でも、広告効果として反映されます。

    例えば、ユーザーがフィードに表示された広告を一瞥し、その後数日以内に直接ブランドサイトを訪れて購入したケースでも、Facebook広告は成果に寄与したと認識します。

    この仕組みはブランド広告や潜在顧客向け施策と相性がよく、広告の「間接的な影響」を正しく評価できます。

    ただし、VTCが多く計測されると実際以上に広告効果が高く見えるリスクもあるため、クリック成果とのバランスを見ながら判断することが重要です。

    他媒体と比べても、Facebookは「閲覧ベースの効果測定」が積極的に行われている媒体といえます。

    Yahoo広告の場合

    Yahoo広告では、設定によってビュースルーコンバージョンを計測するかどうかを選択できます。

    これにより、広告主は自社の目的に合わせて成果数の定義を柔軟に調整可能です。

    さらに、総コンバージョンやユニークコンバージョンと組み合わせて活用することで、より多角的な成果評価が実現します。

    例えば、同一ユーザーが複数回成果に至った場合でも、ユニークコンバージョンを見れば「新規成果」としての実態を把握できます。

    この柔軟な計測設計は、広告の過小評価や過大評価を避けたい企業にとって大きな利点となります。

    他媒体と比較してもYahoo広告は「成果定義をカスタマイズできる」という特徴があり、精度の高い運用レポートを作成する際に役立ちます。

    X広告の場合

    X広告(旧Twitter広告)でも、広告表示後の一定期間に発生した行動をVTCとして計測します。

    特徴的なのは、インプレッションベースで推定されていた数値が、ユーザー行動の検証を経て確定値に変わる仕組みを持っている点です。

    これにより、広告主は単なる表示回数ではなく「実際に購買や登録につながったかどうか」を正確に把握できます。

    例えば、ユーザーが広告をスクロール中に目にし、後から検索して商品を購入した場合、その効果が確定データとして記録されます。

    この仕組みにより、広告の見た目のリーチだけでなく、実質的な成果への寄与を定量的に評価できるのが強みです。

    他媒体と比べても「推定から確定へ」というアプローチは特徴的で、X広告の効果測定を信頼性の高いものにしています。

     

    LINE広告でビュースルーコンバージョンがないことによる課題

    LINE広告はビュースルーコンバージョン(VTC)が標準で計測されないため、実際の広告効果を正確に把握しにくい側面があります。

    その結果、他媒体と比較した際に過小評価されやすく、成果の見え方に「ズレ」が生じる可能性があります。

    ここでは、LINE広告ならではの課題を整理して解説します。

    実際の成果より少なく見える可能性

    LINE広告はクリックスルーコンバージョンに依存しているため、広告を閲覧した影響で後から購入や問い合わせが発生しても、その効果が成果数に反映されません。

    例えば、ユーザーがタイムラインで広告を見て商品を認知し、その後検索を経由して購入した場合、広告の貢献は見えないままとなります。

    この仕組みは特にブランディング目的や検討期間が長い商材で問題となりやすく、実際よりも広告効果が低く表示されてしまうのです。

    結果として、運用者や企業は「LINE広告は成果が出にくい」と誤解しやすく、媒体としての価値を正しく評価できない状況に陥ります。

    他媒体との比較で過小評価されやすい

    YouTube広告やFacebook広告など、他の主要媒体ではVTCが標準的に反映されるため、同じキャンペーンを並行して配信した際にLINE広告だけ成果が弱く見えてしまうケースがあります。

    例えば、Facebook広告では「閲覧のみでの購入」も成果に含まれますが、LINE広告では成果ゼロと判定されるため、比較レポートを作成するとLINE広告が不利に映ります。

    この違いは広告主に「LINE広告は効率が悪い」と誤解を与える要因になりかねません。

    媒体ごとの計測仕様の違いを理解しないまま評価すると、投資配分や運用判断を誤るリスクが高まります。

    成果測定の「ズレ」がマーケティング判断を誤らせるリスク

    VTCが計測されないことで発生する最大の問題は、成果測定の「ズレ」によってマーケティング判断が誤らされる可能性がある点です。

    広告は複数の接触が連続して成果につながることが多いにもかかわらず、LINE広告だけクリック成果に限定されると「実際の顧客行動」と「数値上の成果」に乖離が生じます。

    その結果、本来投資すべき媒体を縮小してしまったり、逆に過大評価された媒体に偏った予算配分を行ってしまったりする危険性があります。

    マーケティング全体を最適化するには、LINE広告の数値をそのまま鵜呑みにするのではなく、他媒体のVTCデータや自社のアナリティクス情報を補完的に活用することが重要です。

     

    正しく効果を把握するための対策

    LINE広告はVTCが限定的にしか取得できないため、そのままの数値だけで評価すると誤解を招く可能性があります。

    そこで、広告効果を正しく把握するためには、横断的な計測ツールの導入や成果指標の切り分け、Cookie規制を踏まえたデータ解釈、さらには「戻りコンバージョン」を考慮したレポート設計が欠かせません。

    ここでは、正しく効果計測を行う方法について解説します。

    計測ツール導入

    LINE広告の成果を正確に把握するためには、横断型計測ツールを導入するのが効果的です。

    これらのツールは複数媒体にまたがるユーザー行動を一元的に管理でき、LINE広告単体では見えない「間接的な成果」も捉えることが可能です。

    例えば、ユーザーがLINE広告を閲覧した後、別媒体でリマーケティング広告をクリックし、最終的にコンバージョンに至ったケースも一連の流れとして把握できます。

    これにより、各媒体の本来の貢献度を正しく可視化でき、LINE広告の実際の役割を過小評価せずに済みます。

    横断計測ツールは導入コストがかかりますが、広告投資の最適化に欠かせない存在です。

    クリックコンバージョンとビュースルーコンバージョンを分けて評価

    広告成果を評価する際には、クリックコンバージョンとビュースルーコンバージョンを分けて分析することが重要です。

    両者を一緒に扱うと、クリックに基づく直接的な成果と、広告接触による間接的な成果の境界が曖昧になり、正しい判断ができなくなります。

    例えば、クリック率が低くてもVTCが多い場合、その広告は直接購買よりも認知や検討段階での貢献が大きいと考えられます。

    逆にクリックコンバージョンが中心ならば、購入意欲の高い層に効果的にリーチしている可能性が高いといえるでしょう。

    このように数値を分解して理解することで、広告の役割を誤解せず、より精度の高い運用改善が可能になります。

    Cookie規制による計測の限界を理解して運用

    現代の広告運用では、Cookie規制の影響を無視することはできません。サードパーティCookieの廃止や計測精度の低下により、従来のVTC数値は必ずしも完全ではなくなっています。

    そのため、広告主は「データがすべてを網羅できるわけではない」という前提で数値を解釈する必要があります。

    例えば、広告を見たがCookie制限により追跡できなかったケースや、異なるデバイス間での行動が分断されるケースが存在します。

    こうした限界を理解しつつ、複数のデータソースを組み合わせて相対的に判断することが重要です。

    精度の高いデータを求めるだけでなく、誤差を前提にした柔軟な運用がマーケティングの成功につながります。

    「戻りコンバージョン」を想定したレポート運用

    広告の効果を把握するうえで見落とされやすいのが「戻りコンバージョン」です。

    これは、ユーザーが一度広告に接触した後、しばらく経ってから自然検索や直接訪問で成果に至るケースを指します。

    LINE広告はこのような行動を計測できないため、成果が過小評価されがちです。

    そこで、レポート運用の段階で「広告接触後の自然流入による成果」も一定割合想定して分析することが求められます。

    例えば、広告接触ユーザーの行動データを自社のアクセス解析と突き合わせることで、戻りコンバージョンを間接的に推測できます。

    この視点を持つことで、単純なクリック数やコンバージョン数以上に、LINE広告がブランド認知や比較検討に与える影響を正しく評価できるようになります。

     

    まとめ

    今回の記事では、LINE広告のビュースルーコンバージョンについて解説しました。

    ビュースルーコンバージョンを正しく理解することで、クリックだけでは見えにくい広告の効果を把握でき、LINE広告の実際の貢献度を評価する助けになります。

    しかし、LINE広告ではビュースルーコンバージョンが限定的にしか計測できず、成果が過小評価されるリスクや、他媒体との比較で誤った判断につながる可能性もあります。

    当社のLINE広告運用代行サービスでは、横断的な計測ツールの活用やレポート設計を通じて、見落とされやすい効果まで正しく可視化し、最適な運用をサポートしています。

    まずはお気軽にご相談ください。

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    株式会社LATRUS 代表取締役 永盛真希

    WEBプロモーションにて月間売上4,000万円達成、Google検索(SEO)にて1位を獲得、Facebook広告やリスティング広告を用いてリスト単価1,500円以下でのリスト獲得などの実績が有り。飲食店や美容エステ、治療院、士業事務所、健康食品通販や美容品通販(EC)、スピリチュアル、セミナーなど多くの集客・販促支援をおこなう。

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