この記事でわかること |
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広告運用をするなら、費やした広告費に対してどれだけの効果があったのかを把握し、改善を積み重ねることが大切です。
その上で、重要な指標となるのが費用対効果を示す「ROAS」です。
当記事では、ROASの計算方法や測定時の注意点、広告費用対効果の測定に活用したい「ROI・CPA」との違いについて詳しく解説します。
広告の費用対効果を測定したい、またはこれから広告運用を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
ROASとは
ROASとは「Return On Advertising Spend」の略称で、費やした広告費に対してどれだけの売上を得られたかを測る指標のことをいいます。
ネット広告が一般的となった近年では、様々な広告運用の手法が混在しており、企業にとってより効果的な広告運用をするためにROASが特に重要視されています。
ROASの計算方法
ROASは、以下の式で広告に費やした費用1円あたりの売上額を算出し、そのうえで広告費用の回収率を算出します。
計算式売上 ÷ 広告費 × 100(%)
例えば、ある月の売上額が70万円で、費やした広告費が20万円だったとします。
この場合、
ROAS = 70万円(売上額) ÷ 20万円(広告費) × 100 = 350%
となり、広告の費用対効果(回収率)は350%です。
つまり、20万円の広告費に対して350%の売上を得られたということが分かります。
ROASの数値は、高ければ高いほど広告の費用対効果が優れていると判断できるため、ROASの高い広告には予算を追加したり、数値の低い場合には対策を講じたりといった広告戦略の見直しが可能になります。
また、売上や広告費は常に変動するため、広告効果を最大化させるためにはROASをリアルタイムで把握しておくことが望ましいでしょう。
ROASを活用する際の注意点
ROASは広告効果を測ることのできる便利な指標ですが、事業の目的や業種によってはデメリットとなる場合があります。
ROASを活用する際の注意点・利益を確認する必要がある
・売り上げに直結しない広告の測定ができない
ROASの特徴を理解し、合理的に広告効果が測定できるよう注意しましょう。
利益を確認する必要がある
ROASは「売上」をベースとした指標であるため、広告が「利益」に貢献しているかどうかを判断できません。
例えば、先ほど挙げた例の場合、ROASは350%と費用対効果の高い広告であるように見えます。
しかし、実際の利益が広告費の20万円を下回っていると実質は「赤字」となってしまい、「費用対効果が高い」とは言えなくなるのです。
事業において赤字を回避したいのであれば、売上だけでなく利益がどのくらい出ているかを別途把握する必要があります。
売り上げに直結しない広告の測定ができない
広告のゴールは、売上に直結するものばかりではありません。
「売上」がベースであるROASは、資料請求や問い合わせがコンバージョンとなるような「売り上げに直結しない広告」の費用対効果を測ることができません。
そのため、広告の種類によってはROASだけでなく別の指標を活用して費用対効果を測る必要があります。
ROASとROI・CPAとの違いとは
ROASと同じように、広告の費用対効果を測定するための代表的な指標として「ROI」と「CPA」の二つがあります。
前述したように、ROASの数値だけで広告の費用対効果を正確に把握することはできません。
そのため、ROIやCPAといった他の指標を組み合わせて活用し、様々な視点から広告効果を測ることも重要なポイントになります。
効果的な広告運用を行うためにも、ROI、CPAについてもしっかりと把握しておきましょう。
ROIとは「投資利益率」
ROIとは「Return On Investment」の略称で、投資した広告費に対してどれだけの利益があったかを測る指標です。
計算式ROI(投資利益率) = 利益額 ÷ 広告費 × 100(%)
例えば、利益額(売上−売上原価−投資額)が30万円で、投資した広告費が20万円だったとします。
この場合
ROI = 30万円(利益額) ÷ 20万円(広告費) × 100 = 150%
となり、20万円の広告費に対して150%の投資効果が得られたということです。
ROIの数値は0%が基準となり、プラスであれば利益が発生している、マイナスであれば赤字であると判断できます。
ROASとROIは混同されやすい指標ですが、二つの大きな違いは「売上」を基準とするか「利益」を基準とするかという点です。
「売上」を基準とするROASでは、実際の利益が確認できないため、どれだけ数値が高くても赤字になっている可能性があります。
そのため、ROIを併用し両方の数値を高めていくことが広告効果を高めるポイントとなります。
また、ROIは広告費に対する利益率が可視化できるため、複数の事業において広告の採算性が高い事業を把握する場合などに便利な指標です。
CPAとは「顧客獲得単価」
CPAとは「Cost Per Action」の略称で、コンバージョン1件あたりにかかった広告費を測る指標です。
計算式CPA(顧客獲得単価) = 広告費 ÷ コンバージョン数
例えば、「資料請求」をコンバージョンとした広告を20万円で打ち出し、100件の資料請求があったとします。
この場合
CPA = 20万円(広告費) ÷ 100件(コンバージョン数) = 2,000円
となり、1件の資料請求に対して2,000円のコストがかかっていることが分かります。
ROASとの違いは、CPAの算出には売上や利益といった金額が必要なく、売上に直結しない広告でも効果を測れる点です。
また、売上に直結する広告であっても、取り扱う商材が一つだけの場合や同一価格の商材を販売している場合には、CPAが最適な指標と言えます。
広告の費用対効果を高めるためのポイント
これまでお伝えしたような指標を元に、広告の費用対効果を高めるにはどのような点に注意すれば良いのか、具体的に注力すべき4つのポイントをお伝えします。
注力すべきポイント1.広告クリエイティブの改善
2.広告媒体の見直し
3.ターゲティングの最適化
4.ランディングページ(LP)の見直し
1.広告クリエイティブの改善
広告クリエイティブとは、広告運用のために作られた制作物のことで、チラシやバナー、テキスト、動画といった広告に使用される全ての素材を指します。
クリエイティブがターゲットに刺さる内容になっていなければ、広告の効果は期待できません。
費用対効果を高めるには制作したクリエイティブを定期的に変更し、より効果的なクリエイティブへと最適化しましょう。
特に、インターネット上にあふれているWEB広告の場合は、ターゲット層の目を引くクリエイティブであることが非常に重要です。
ターゲットのニーズを捉えたキャッチコピーやデザインになっているか、広告の内容が適切で分かりやすいかなどを見直し、ROAS改善に努めましょう。
2.広告媒体の見直し
広告を出稿している媒体が適しているかを見極めることも大切です。
紙媒体であるチラシや雑誌、SNSやポータルサイトなど、広告の出向先は様々ですが、それぞれを利用しているユーザー層は異なります。
想定したターゲット層に的確に広告を届けるためには、そのターゲットが多く利用している媒体を見極めることが大切です。
どの媒体がよいか明確でない場合は複数の媒体に広告を出稿し、それぞれのROASを測ることで効果的な媒体を探してみましょう。
より効果が期待できる媒体が把握できれば、その広告への広告費を多く費やせるように予算を設定するなどの対策を行います。
3.ターゲティングの最適化
広告を見せたいターゲットを適切に絞れているかという点も重要です。
広告を見るユーザーは性別や職業、興味・関心といった「属性」を持っており、この属性が似ている人は同じような情報に惹かれるという傾向があります。
自社がアプローチしたいターゲット層と、その商品やサービスにニーズが有るユーザー層の属性に相違がないかを分析し、最適なターゲット層を狙えているかを見極めましょう。
そのためには、自社商品やターゲットユーザーへの理解を十分に深めておくことも大切です。
4.ランディングページ(LP)の見直し
リスティング広告などのWEB広告の場合、広告をクリックした先の「ランディングページ(LP)」を見直すことも注力すべきポイントです。
広告クリエイティブやターゲティングが最適であり、ユーザーがクリックをしたとしても、LPの内容が魅力的でなければコンバージョンにつなげることができません。
広告をクリックしたユーザーが最初に見るページであるLPは、非常に重要な要素であり売上に大きく影響します。
ROASやCPAを高めるにはLPの内容も定期的に見直し、改善を繰り返すことが大切です。
LPの効果的な使い方については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ご覧ください。
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まとめ
広告を効果的に運用していくには、広告の費用対効果を測定し改善を繰り返すことが必要不可欠です。
まずはROASを活用して広告による売上への貢献度を算出し、広告効果を上げるための改善点を見出しましょう。
なお、ROASは売上をベースとした費用対効果を数値化できますが、不十分な部分はその他の指標であるROIやCPAをうまく併用していく必要があります。
事業の目標や広告の目的に合わせてROAS、ROI、CPAといった分析指標を適切に使い分け、実効的な広告運用を目指しましょう。
今回はROASについて解説しましたが、弊社の公式LINEでは広告運用をはじめデジタルマーケティングに関するアドバイスをさせていただいております。
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